会場のほとんどが撮影可だったので、そちらに気を取られ過ぎないように気をつけた。
写真撮ったら満足、ってなりやすいからさ。
しょぱなから喪黒福造さんと藤子不二雄Ⓐ先生に出迎えられる。
先生の喪黒さん味すげぇ。
そしてどのキャラにも負けてねぇ。
上の写真は「トキワ荘の壁」。
先生が漫画家になるまでや、「まんが道」を描くに至る過程が紹介されるゾーンは、胸熱。
そしてどこまでも第二次世界大戦が影響しているのを改めて感じる。
水木しげる先生にしても、川端龍子さんにしても、かこさとしさんにしても…(いずれも美術館の特別展を見に行った)
「ハットリくん」は最初、目の縁に歌舞伎の隈取のような赤いラインが入っているのを初めて知った。
やーん、ハットリくん、ちょっと大人っぽくてセクシー。
「怪物くん」も「ハットリくん」も「笑ゥせぇるすまん」もアニメを見てたなぁ。
「プロゴルファー猿」はゴルフに関心がなかったから、ほとんど見てなかったなぁ。
なんて、思い出しながら見ていた。
ちょっぴり大人になってからの「笑ゥせぇるすまん」は面白かったけど、次第に離れてしまった。
だって人が不幸になっていくのしか、見せてくれないんだもの。
心が疲弊してしまい、いやになってしまった。
ブラックユーモアゾーンでは、短編マンガが2本、動画になっていた。
そのうちの1本、カジノを題材にしたものが面白かったなぁ。
あの時代と、ダンディズムと、「あー、行きつくところはお金とかわいこちゃんかぁ」といろいろ。
実体験をもとに描かれたそうなので、「当時の旅エッセイ」のような雰囲気もあり、面白かった。
もう1本は、今でいう「引きこもり」がテーマで、描かれた当時のことを思うと胸が潰れそうだった。つらい。
展覧会のタイトルの「Ⓐの変コレクション」ってなにかと思っていた。
Ⓐ先生が「面白い!」と思ったものコレクションだった。
鍵のないからくりのある木箱とか、世界の民芸品など。
「こんなの、どこかで見たことあるなぁ」と思ったら、水木しげる先生のコレクションもこんな感じだった。
あとはグッズ。
中にはカープとコラボしているキャラクターグッズもあった。
***
本来なら、この特別展は2020年の夏に開催される予定だった。
しかし新型コロナの影響で1年延期された。
2020年の春先、県立美術館の年間スケジュールで知ったときは「見に行くつもりがない」展示会、として自分の中で振り分けていた。
なじみはあるけど、心が疲れてしまう作品も多いし、こういう「夏休み」の「子どもとその親」や「県外からの鑑賞者」ターゲットのものは、はずれになることも多いからだ。
なんていうんでしょう、最後の「グッズ販売がメインかよ!」みたいな。
内容がちょっと残念だったり、がっかりだったり。
だが、コロナの状況の先が見通せない中、「見られるものは見ておいたほうがいい。美術館に行けるときに行っておいたほうがいい」と思い、見に行くことにし、前売券を買った。
8月3日。
仕事が早上がりだった。
暑さと慣れない冷房にくらくらしていたが、なんとなく「今日行かなくちゃ、次はないかも」とひどく胸騒ぎがして、美術館に向かった。
次の早上がりは8月7日(土)で、きっと人が多いだろう。
遅出のときは体力温存して仕事に向かいたいから、ほんとに今日しかない。
熱もなく、めまいもない。
重い荷物は無料ロッカーに突っ込んで、身軽になって鑑賞した。
人がびっくりするほど少なかった。
ほとんどの展示が撮影可能だし、楽しい記念撮影ができる立体的な撮影スポットもたくさんあった。
どれも一人では撮影できなくて、がっかりだったけど、きっと友達や家族連れだと楽しいんだろうなぁ、という工夫もいっぱいだった。
ちなみに私は喪黒さんとセルフィーで写真を撮った。ふふふ、2ショット!
ちびっこにはなじみがないかな。
ちょっと恐いかな。
でもまだまだ8月は始まったばかり。
これからですよ、たくさんの来場者であふれるのは!
なんて思いながら、美術館を後にしようとした。
すると、入るときになかった貼り紙があった。
それは、広島県の「新型コロナ 感染拡大防止のための早期集中対策」を受け、8月7日(土)~9月12日(日)まで臨時休館する、という内容だった。
まずは
「ぎりぎりじゃーっ!ぎりぎりに滑り込んだんじゃあ。胸騒ぎがする、ってこれじゃったんかのう」
と思った。
一番楽しんでもらえそうな時期に休館。
もうやるせなくて、悔しくてがっかりで、うわあああああ!と叫びたかった。
もうちょっと元気をためて、カフェのコラボスイーツを別日に狙おうかとも思っていたのに…
そんな複雑な思いをした夏の1日であった。
臨時休館が終わってから2週間くらいは開館するようなので、ピリリとした喪黒さんに会いたい方はぜひ、カメラかスマホかなにか写真が撮れるものを持って行ってみてね!
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