東京大学の学食に潜入(?)する冒険を思いついて調べたとき、建物の中に入らなければ自由に見学してもいい、という記載があった。
それは「学問は誰にでも開かれているべし」という理念のもとだった。
かなりびっくりし、実際行ってみると結構な大学関係者以外の人が構内にいて、ますます驚いた。
他の大学もそうだけれど、いくつかは資料館や博物館があり一般公開されている。
東京大学総合研究博物館もその一つだった。
学食で昼食をすませ、またもや広い構内で迷子になりながらやっとたどりついた博物館は最初、小さいな、と思った。
入ってすぐに「まとまらないけど、ぎゅうぎゅうにした東大の研究や資料をコンパクトにまとめてみました、まとまらんけど、知らんけど」みたいな展示があり、今年度前期のNHK朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルになった牧野富太郎博士の写真と彼が作った標本や図鑑の展示もありました。そうだ、牧野先生は帝国大学の人だ。
その先はあるテーマに沿った特別展の部屋もあったけれど、研究と標本と資料がとにかくわんさわんさあって。
ゴマつぶより小さい昆虫の標本ずらりとか。
整理できずにジップロックに詰められた小動物の骨ざっくざく、鳥の綺麗な尾羽わっさわさとか。
大型動物の骨とか、なぜかみかんの赤いネットに入って壁につるされている骨とか。
そして、教授たちが亡くなった動物園で飼育されていたゾウを土に埋めて腐敗させ、また掘り起こす様子などの映像資料の上映など。
学問って。
研究って。
なんというか、ものすごいエネルギーと好奇心と集中力とで、この大学では代々行われていることなんだ。
というのを肌で感じ、飲み込まれてしまった。
私はここでへとへとに疲れてしまう。圧倒された。
大森貝塚を発見したモース氏が大学で研究されていることを広く一般の人に見てもらおう、というところからまずは始まったらしい。
その映像資料もぼんやり見ていた。
とにかく「知」や「技術」への底なしの情熱が昔からあるんだなぁ、とここでも感じた。
東京駅のそばにも東大ミュージアムのひとつ「インターメディアテク」がある。
しかし今回は開館日と私の予定が合わず、のぞけずじまいだった。
いつか訪れたい。
東京はこんなことがとても楽しいが、街を歩かないので、どことなく「東京という地に行った」という実感が持てない。
今回もそうだった。
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