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金曜レイトショー / 私の「映画でお勉強」時間

2021/10/01

 

古い犬なので、古いお話も。

NHK Eテレがかつて「NHK 教育」と呼ばれていた頃、毎月最終日曜日に22:00から映画が放送されていた。
有名だけど民法では放送されないような作品がずらり。

その頃私はひとり暮らしをしていて、朝からお弁当を作って出勤する生活をしていたので、終わりが24:00を越えるのはつらかったけど、放送を知ってからはできるだけその枠で映画を見ようと思った。
うまく言えないけど「これはお勉強でもあるのだ」と感じていた。
人生というか、世界というか、なにかそういうもののお勉強。

でも残念なことに、すぐに番組が終わってしまったんだけど。
最後の作品は「グッドモーニング・ベトナム」だった。


最近、劇場で見たい作品になかなか出会えず、また仕事を替え勤務の時間帯も変わってしまったため、なかなか上映時間に自分を合わせることが難しくなってきていた。
そしてコロナである。

外出すること自体を控えるようになり、ますます映画館から足が遠のいてしまった。
おかげで「鬼滅の刃無限列車」には乗車できずにいるし、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」は公開が延期に次ぐ延期でいつ見られるかわからない。

有料の映画見放題のサービスを利用するのも考えたけど、私の仕事はおうち時間が長くなったわけではなく、むしろハードになった部分もありへとへとしているので、「申し込んでもあまり利用しないかも」と利用しなかった。

そんな私が知ったのが「金曜レイトショー」である。

『痴人の愛』 無料配信5月21日~5月28日まで:金曜レイトショー|シネマトゥデイ

なにかの拍子にTwitterでシネマトゥデイさんのアカウントをフォローしたら、配信のお知らせツイートがリツイートされた。

何度か見損ねたけど、アカデミー賞を受賞した「トムとジェリー」の作品を7本くらい配信したときには、期限内に見ようと努力した。
いやあ、楽しかったなぁ。
子どものときには日本語のナレーションとトムさんとジェリーちゃんにせりふのあるものを見ていたので、改めてオリジナルでは音声が入っていないのだと思いながら、懐かしく見ていた。


私は映画をそんなにたくさん見ているわけではない。
でも映画から感じたり、学んだりすることはたくさんあるなぁ、とは感じている。
それも古い作品がいいなぁ。
どこか煮詰まってて、なにをやっても目新しいものがなくて、過激で残酷なものに行くか、やたらと感動で泣くやつか、リメイクに次ぐリメイクか。
最近の映画作品にそんなことばかり感じている私に「金曜レイトショー」のラインナップはわくわくするものだった。

これまで見た作品は
・トムとジェリー
・市民ケーン
・天井桟敷の人々 第一幕 第二幕
・痴人の愛
である。

「トムとジェリー」以外はモノクロ。
表現も稚拙な部分もあるけれど、なんていうかエレガンスや「銀幕」ということばがぴったりのちょっと夢のような世界にとっぷりと浸かってしまう。

作品の前後に短い解説があり、この作品が作られた時代背景や見どころを知ることができるのもいい。

週に1本、は私にとってなかなかハードなペースだ。
しかし、私はこれを「お楽しみであるお勉強」だと勝手に思っている。
あの「NHK 教育」で見ていた映画のお勉強時間が帰ってきた!と思った。

こんな機会じゃないと、こういった作品、ひとりじゃ見ないよ。
「絶対に!」と言い切れる自信がある。
嬉しいな。
またお勉強時間が持てて。


映画評論をしたいわけでもないし、撮影技術やお芝居について語りたいわけでもない。
ただ、自分の目の前に出される作品を見て、なにか心を動かしたい。と思う。
きっと「古い犬」になった今だからこそ、感じられる部分もあるかも。