※ネタバレあります。
パンフレットも発売されたということで、そろそろブログに感想を書いてもいいかな、と思った。公開から1か月弱経つもんね。
※ネタバレあり!2回言ったよ!
あと、いつものようにとっちらかっています。
***
まず、この映画が面白いかどうかだけど、私は「面白い」と思った。
テーマが「自立」で、私が好きなテーマだし、特に「子どもから大人へ」という時期のものはとても好きなので、面白かった。という感想を持った。
わかりづらい、という声もあったが、これは辻褄を合わせるのではなく「考えるな。感じろ」、感覚で見るものだ、と思った。
アオサギやインコの正体はどうでもいいし、なんとかを象徴しているもので、という解説も私にはほんとどうでもいい。
主人公の眞人(まひと)がなにを感じて、どう考えていくのか、に、とにかく感覚をシンクロさせていった。
物語は唐突に始まった。眞人も何歳か明確にされていない。
時代もなにもかも、説明がなにもない。
ヒントは散りばめられているんだろうけど、そのヒントに気づく知識を持ち合わせていない。
「映画」という意味では、つまんなかった。
「宮﨑駿作品」として見ていると、これまでの作品で見たことあるような場面やモティーフ、キャラクターがわんさか出てきた。
それを「これはあの作品のこの場面。これはあの作品のあのキャラクター」と照らし合わせるのは楽しいかもしれない。
しかし、あたいは「宮﨑駿作品を見に来てんだよ!」と叫んでた。
「これまで見たことないようなものを出してくれるのが宮﨑作品だろ!見たことあるものばっかりじゃん!」
私が期待しすぎなのかどうなのかわからないけど、ある意味、がっかりだったなぁ。
以降、あれこれ箇条書き。
- 眞人のお父さんが人の話を聞かない人で苦手。
- お父さんはなんでもお金で解決しようとするので、それも苦手。
- 眞人の母親が亡くなり、疎開先で出迎えてくれたのが母の妹で、すでに父の子どもを妊娠していたので、父にも妹にもドン引き。なにがどうしたんだ。下世話なことだが非常に気になる。教えてほしい。
- お父さんだけじゃないけど、エンディングのクレジット見て、声優にびっくり。お父さん、木村拓哉なの⁈
- 宮﨑作品だとキムタクくささが抜けて、そういう意味では好ましい。演じているときには「キムタク」ではなく、その役の人が見たいから。
- で、二人はいつからそういうことになってたんだ⁈ すでに出産間近みたいだったから、随分前から付き合いがあるんでしょ。
- 女性や女の子の描き方が不満。「なんでも抱擁してくれる、許してくれる、甘やかせてくれる、いざとなったら頼りになる、美しくて力強くて、寛容な清潔感もありつつ色気もあるオンナ」なのが心底いやだ。理想を押しつけるな!(押しつけられてはいないけど、なにか圧を感じる)
- 女の子の走り方の描き方がいや。腕は前後じゃなくて左右に振るヤツ。アニメが見づらくなってきたのは、何十年も前からの「女の子はこうあるべき」みたいな呪縛に沿った女の子こ描かれ方が未だにされていることだ。ユーザーのニーズなのかもしれないけど、リアルとかけ離れすぎて、見ていられない。
- アオサギが菅田将暉だったのもびっくりだった。ずっと「誰やおまえーーーー!!!」と思ってた。
- おばあさんが魔女みたいなのも、もういい。おじいさんが魔女みたいなのでもいいじゃん!
- 全体的に泥臭さが少なく、キレイだな、キャラの顔もしゅっとしてるな。と思ったら、原画に宮﨑さんがあまり関わっていない、という噂を聞いて、ひどく納得した。
- 宮﨑さん、なんで「﨑」の漢字、かえたの?
- テツガクしてるようなおじいさんの積み木が、なんだか「イジワルな問題」みたいでいやだった。もうちょっと安定感のある積み方だってあるはずじゃん。なんで円柱を横にするかな。
- どうしてこのタイトルにしたんだろう。本とは内容が全く異なるのなら、別のタイトルでもよかったはずだ。本は読んでないけど(もしからしたらかつて読んだかもしれない。知らないタイトルではなかったし、一時期、テツガクしてるフリをしてこういう本も読んでいた)、「原作に謝れ!!!」と叫んじゃうかもしれない(「アナと雪の女王」は本気で「原作に謝れ!」と思ってる。カイちゃん、全然出てこないじゃん!!!)
- 宮﨑さんは、最後に好き放題やらせてもらったんだなぁ、と思った。そのあたりは鈴木敏夫さんの手のひらの上かもしれないけど。だってこれで「爆発的ヒット」は望まないような気がして。でもこれまでやっぱり収益とかなんとか考えなきゃいけなくて、スタジオジブリのアニメーターやスタッフさんも養っていかなくちゃならなくて。だけど、ジブリの作品作り部門は解散しちゃったし。ちょっと解放されたのかな、どうなのかな。と勝手に想像する。
- 以前にも書いたけど、これ番宣なくて、ほんとによかった、と思う。まっさらで見てほしいし、番宣したら面白いところは伝わらないし、「ここだ!」という切り取って痛快なシーンもあまりない。
- 辻褄が合わないことだらけだ。「どうしてこうなるのか」、説明もできないこともたくさんある。なんでもかんでもわからなくてもいいんだ。
- 「もう一度見たいか?」と聞かれたら、「うん」と答える。他の作品同様、何度か見て、これを見たときの自分が「ほほう!」と気がついたり、面白く思えたりするところが出てきそうな気がする。
■参考
「野中くん発 ジブリだより」2023年8月号 - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI
「野中くん発 ジブリだより」2023年8月号。 スタジオジブリ最新作・宮﨑駿監督作品「君たちはどう生きるか」が7月14日(金)に封切られましたが、お陰様で沢山の方がご覧下さり、本当に有難いことです。感謝申し上げます。今回は、宣伝や情報発信をほぼしないという異例の方針で公開日を迎えました…
■写真は、今年自分が撮った鳥たち。
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