会期は終了しましたが、備忘録として。
年度末になると、次の年度の美術館特別展スケジュールを確認します。
夏休みにあたる時期に「せなけいこ展」があると知り、私はとても盛り上がりました。
どうも夏には「夏休み」がしたいし、子どもになりたいし。
そういった思いを今年は「せなけいこ展」が受け留めてくれそうな気がしたからです。
ぴかぴかの手帳にも、もちろん会期を書き込んでいました。
しかし、新型コロナウイルスのため、美術館は軒並み休館。
不要不急の外出は避け、職場と家、そして食料調達のためのスーパーなどへの買い出しのみに行動を制限していました。
(早朝などを狙って、運動不足解消や気分転換のためのお散歩もしていたけど)
広島県立美術館が再開し、川端龍子展が見られた時、嬉しかったなぁ。
「あー、やっとやっと美術館に行けるんだぁ」と思いました。
しかし、入り口ではものものしい雰囲気で、検温、消毒、連絡先の記入などを数人の係の方がされていました。
その後、「藤子不二雄A展」の前売券も発売されましたが、すぐに「来年に延期」が決定し、払い戻しが始まりました。
なので、ひろしま美術館の「せなけいこ展」も中止になるのではないか、とずっと気にしていました。
美術館に行くときには大概、前売券を買うのですが、それもせず様子を見ていました。
せなけいこ展は予定通り、開催されました。
新規感染者も減少しています。
それでもだいじを取って、平日の朝一番を狙って、ひろしま美術館へ駆け込みました。
せなけいこさんの絵本は、おばけやねこちゃんが出てくるものが印象に残っています。
おばけちゃんなんて、愉快です。
「夜、遅くまで起きていてはいけないよ」と言われていた女の子がいうことを聞かずに起きていたので、おばけに連れられおばけになってしまうのです。
「やっちゃいけないことをする」というのも、子ども向けの作品の魅力です。
せなさんのお話は、それでも「やっちゃいけないんだな」とちょっと指導というかしつけというか、そういうのが入ってきますが、尖って攻めていく作品もあります。
「ロッタちゃん」です。
「ロッタちゃんのひっこし」という本の中で「このセーターはちくちくわたしをさすの!」と、着たくない嫌いなセーターをはさみでざぐざぐに切ります。
私も「いやなのに親から押しつけられること」がすっごく苦手だけど、反抗もうまくできないときがありまして。
読んだ当時、子どもの私もドン引きエピソードでしたが、今になると「いいぞ!いいぞ!もっとやれ!」と思ってしまいます。
せなさんの作品はちぎり絵、貼り絵です。
使われる紙は上等なものではなく、お店やお弁当の包装紙、役所から来る透けないように工夫された封筒の内側である展示が一番面白かったです。
いいよなぁ、味がある紙だよなぁ。
カフェではおばけちゃんのカレーやデザートなどのコラボメニューもありましたが、見終わったのは10時過ぎ。
まだまだお腹は空いていません。
コロナ感染拡散予防のため、カフェのみの利用はできなくなっていたので、今回は諦めました。
こういうことができるようになるように、自分も気をつけながら祈るとともに、久しぶりの美術館を楽しめるまでになったことに幸せをかみしめた時間でした。
コメントを投稿
別ページに移動します