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渋谷の「明日の神話」に会いに行った / 岡本太郎

2021/06/05


太郎ちゃんの「明日の神話」がメキシコの倉庫で見つかったニュースは、私をも震撼させた。
こんなに大きいものが「失われていた作品」だなんて。



去年、東京の渋谷に行ったあと、
「ああっ!ここに太郎ちゃんがいたのに!」
と「明日の神話」のことを思い出して歯噛みしたことを、今回行きの新幹線内でふと思い出した。
えらいぞ、私!


見つかって修復している間、どこで展示をするかでもめた。
広島も立候補したが、私は冷たい視線を投げていた。
「これから作る場所」を提示し、それも旧市民球場跡地だなんて。
そこからどうするの?
あまり展望が見えない気がした。

結局、東京の渋谷に決まった。
人が多く行き来する場所。
そこに「当たり前」のようにある「明日の神話」だなんてサイコーじゃない!
太郎ちゃんは「当たり前」に切り込んでいくんだから!






渋谷で人に会う約束をしていたので、その前に駅員さんに聞きながら訪れた。
でっかり。
本当にでっかい。

広島現代美術館で修復中の「明日の神話」を撮影したもの(一部)が展示されたことがあった。
組まれた足場まで写ってる。
原寸大で展示しようとしたが、美術館の展示室の壁一面を使っても、どうしても高さが足りず(横はもちろん)、少し縮小したか切ったかしたはずだと思う。
そんなにでっかいものなんだ、とおののいた記憶がある。

ちなみに原画の1枚は同美術館の展示されている。




私は絵がよく見える2階の通路にも行って、絵を眺めた。

扱っている題材は第五福竜丸と水爆なのだが、悲惨さや哀れさより、そのバクハツしたエネルギーに圧倒される。

私はただ「すごい…」としか言いようがない。

太郎ちゃんはなにを思い考え、これを作っていったんだろう。




見終わったあと、私はしばらくぼんやりしていた。
まるで会いたくて会いたくてたまらなかった人に会い、そして一緒にいるわけにもいかないのでさよならを言い、立ち去ったあとのような感覚だった。
ちょっぴり泣きそうだった。


太郎ちゃんの回顧展を見たとき、そのエネルギーに圧倒され、熱にうなされたようになったことがある。
最近、まとまった数の太郎ちゃんの作品に会ったことがない。
また会いたいな。


TOBICHIに行ったとき、青山の太郎ちゃんのアトリエに行くことも考えたが、以前行ったことがあったので、今回はやめた。
やはり川崎の「岡本太郎美術館」に行くしかないかしら。




■参考

岡本太郎 - 明日の神話オフィシャルページ [Hobo Nikkan Itoi Shinbun Partnership]
岡本太郎 明日の神話 - ほぼ日手帳 2016岡本太郎 太陽の塔 - ほぼ日手帳 2016


ほぼ日手帳2016の手帳カバーに「明日の神話」が出たときには「ヤラレタ!」と思った。
悔しかった!
もしWEEKSであれば、それを買っていたかもしれない。



Kyri*ate: 太郎ちゃんのにこにこに会いに行った ≪若い夢≫岡本太郎 / かたちときもち #広島市立現代美術館

太郎ちゃんはバクハツした作品だけじゃなくて、ユニークでピュアで悪戯っ子のような作品もあって、好き。
お化けみたいな「坐ることを拒否する椅子」なんてサイコー!
座らせてくれない椅子って!
あと、人面犬のような「犬」も好き。
「太陽の塔」も好き。




太郎ちゃんの本の中で、一番好きかも。
(全部読んでいないけど)

迷ったとき「危険なほうを選べ」ということばにも、私のカミーノ行き決定を促されたことがある。