会場に入った途端、
バラの香りに包まれた。
シダネルさんは、フランスの田舎の小さな町を気に入り、
そこで修道女のための修道院を買い取り、
庭を整え、バラをはじめとして木や花を植え、
友達などをもてなしたことから、
町の人々も同じように庭を整え、バラを植えるようになり、
「バラの町」として有名になった。
ことから、バラの香りをくゆらしてあった。
シダネル展を見に行ったときの私はボロボロ。
基本がなっていない、というか、
芯がまいっていた。
シダネルさんはお庭のことでもわかるように、
美しいもの、
温かいもので人を楽しませようとする人だった。
彼の絵にはたびたび、
お茶やワインがセットされたテーブルが
きれいなお庭にある様子が描かれていた。
まるで、私をもてなしてくれるような、
「人を楽しませるのが、好きなんだ」
という言葉が聞こえそうな、
そんな絵だった。
暑さのせいにして、
自分さえもケアしていない日々が続いていたので、
涙が出そうなほど、
なにかがしみこんでいった。
それから数日しか経っていないけれど、
朝の紅茶を少しだけ丁寧にいれるようにしている。
いつも「当たり前」にしていることを丁寧にすることを
よくうっかり忘れちゃうのよね。
こうやって思い出されて、
私は自分や周りに再び優しくできるのかもしれない。
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