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ぺんぺん草

2022/01/271







バラのような華やかさもなく、
ユリのような高い香りもなく、
サクラのような気品もなく、
スミレのような可憐さもなく。



あたしは、ぺんぺん草。





自分にないものを求めて、
背伸びをしたり、
無理にヒールの高い靴をはいたり、
化粧をしたり、
爪を彩ったり、
髪をのばしてみたり。





でも、どれもあたしにしっくりこなかったの。




しかしやっぱり、視線は華やかなお花に向けられて、
寂しい思いもたくさんした。



ヤケになったり、
お花であることをやめようとしたり、
考えないようにしたり、
うらやましく思って嫌な視線を送ったり。

やーねー。







だから。

「種を包んでるところが、ハート型でかわいいね」
「お花の色は白なんだね」
と言ってもらうと、すっごく嬉しい。











華やかなお花への嫉妬も憧れもまだまだあるけれど、
あたしはぺんぺん草として生きていく。






これをカッコよく
嫌味なく言えるといいな(笑)