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あのコピーが生まれるまで / ジブリの大博覧会 広島県立美術館

2021/06/05

※ネタバレあり。閲覧注意。


「夏なのに夏らしいことをしていない」


それを不満に思った私は、8月最後の休みに「夏休みの欠片を集めにいく」と早起きをして、朝一で「ジブリの大博覧会」に行った。
開館時間前に到着したが、人がすでに50人くらい並んでいた。
広島県立美術館では、見ない光景だった。



内容は、これまでのジブリ作品の歴代ポスターの展示や制作や宣伝スケジュール、憧れの乗り込めるネコバス、作られたグッズ、オスカーや金熊の像などだった。

やはりネコバスは唯一の撮影可能エリアでもあり、大人気だった。
ネコバスの行先は「ひろしま」で、「ま」が上下さかさまになっていた。くふふ。



私が興味を引いたのは、プロデューサーの鈴木敏夫さんと、その当時はまだコピーライターとして活動をしていた糸井重里さんとの「作品のコピー」についての書簡だ。

「書簡」と言いながら、やり取りはFAXで行われている。

この展覧会では、書き文字をたくさん見た。
絵も膨大に描いているが、文字も膨大に書いている。
それはこの時代の人たちだからなのか、この仕事についている人たちだからなのか、わからない。

今ではきっとメールでのやり取りになっていると思うが、FAXという「手書きの雰囲気が残る」ものだった。

それがとても生々しい。
ちょっと電話に近い感覚を持った。

糸井さんが出した案を宮崎さんがばっさりとダメ出ししている感じだったり、糸井さんのコピーに宮崎さんも鈴木さんもうなったり。
鈴木さんは宮崎さんと糸井さんの間に入りながらも、方向性を決めていく人なんだな、と思った。

人がそこそこ多い上に、文字情報がやたらとたくさんあってすべてをゆっくり読み切ることができなかったが、この「コピーができるまで」のやりとりだけ抜き出した本があったら是非読みたい。





それから、「空を飛ぶ」ことの歴史と考察の展示が面白かった。
有名な、宮崎さんの「空飛ぶもの」のスケッチもたくさん見た。
いいなぁ、と思った。
こんな図解の入ったノートブックを書きたい、と常々思っているのでうらやましかった。
私は図解したり、イラストを描いたりするより、勢いにまかせて「文字で書き殴る」ほうが得意のようで、私のノートは不ぞろいの文字が書きつけられている。

この歴史の中に、「縄文時代に作られた櫓」と高さへの憧れ、のようなことに触れてあった。
私はその短い一文を見ながら、東京で、「東京タワー」、「六本木ヒルズ」、そして「スカイツリー」に上ったときの強い衝撃のことを思い出していた。
なんだか「高いところに上りたがる」ことやそうすることでの優越感、って遺伝子に組み込まれている気がして。



そんなことを思いながら、展覧会を見て回った。

グッズコーナーにはジブリとのコラボモレスキンはなかった。
ジブリ美術館じゃないと買えないのかなぁ。
グッズも一緒に巡回してくれたらいいなぁ、と期待していたが、そうはいかなかった。


私の夏休みの欠片、前半終了!

後半の模様はこちら
京橋川を眺めながら蕎麦を食べる / 板蕎麦香り家[広島]



■参考

ジブリの大博覧会 ~ナウシカからマーニーまで~|広島県立美術館 Hiroshima Prefectural Art Museum



■キリエの「高さ」についてのブログ記事

高さへの憧れ

どうして高いところに上りたがるんだろう #EdgeRankBloggers

高さと俯瞰 / 東京スカイツリー