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よりぬき長谷川町子展 ひろしま美術館

2021/06/05


日曜日の夕方、このエンディングが流れてくると、「ああ、日曜日が終わっちゃう…。月曜日がやってくる…」とがっくりすることでも有名な、日本的アイドルサザエさんを含む原画展に行きました。


うちには「姉妹社」という長谷川姉妹が起こした会社から出版された「サザエさん」「いじわるばあさん」「エプロンおばさん」など、結構な作品があります。
弥次喜多珍道中の中にサザエさんそっくりの女性が登場するものも、なかなか面白い。

私はアニメのサザエさんより、原作のサザエさんのほうが好きです。
みんないい人の、昭和の時代劇のようになっているサザエさんより、もっと大人で、たまに風刺が効いていたり、コドモにはわからないくすっとする笑いもあるからです。





作者の長谷川町子さんは九州の出身で、13歳から雑誌デビュー。
その雑誌も展示されていましたが、しっかりした線とユーモアたっぷりの内容でした。
また、少女雑誌には同世代の子どもが気になること、例えば「一人でお留守番する」ことなどが題材になっていて、とても親近感が持てる作品でした。

絵本やイラストも描きながら、新聞の4コママンガに「サザエさん」が登場します。


本当に素敵なセンスの持ち主だなぁ、と改めて実感。
サザエさんの表紙がずらりと並んでいましたが、溜息が出るほどでした。

最初の写真の「顔出し」も、表紙で、アニメのオープニングで有名なシーンの元ですよね。

構図も素敵でまいった。
私はあまり構図のセンスがないのですが、宮崎駿さんの構図がおいしくて!
ほかにも構図がおいしい作品に当たると、もうはぁはぁしちゃいます。
長谷川さんの構図も鼻息荒く、見ていました。


また、同じ作品を、新聞掲載、単行本、再版とやっていくうちに全部描き直す過程が見られる展示もありますが、やっぱり絵もさることながら、「4コママンガでの見せ方」がぐんと上達している様子がうかがえて、これも楽しいです。


原画が展示してあるので、ついつい作品を読み込んでしまい、なかなか観覧者の列が進まないのが玉にキズでしょうか。


サザエさん生誕70周年記念の特別展。
ほかにもいろいろ考えさせられることもあります。
食料が配給制だった頃の話もあるし。

あ、そうそう。
私、「サザエさん」で豆炭や練炭を知りました。


また、おうちの長谷川さんの作品を読み直そうかなぁ。