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「一年生の壁」と次の待機児童問題 - 働く側として / 待機児童ゼロチャレンジ #taikijidou0challenge

2022/02/06

どこで言ったらいいのかわからないので、ここで言っておきます。

ここに書いていることは、個人の見解です。


*  *  *  *

保育園の待機児童問題について書かれたブログ記事を読みました。
そこから、もっとこの問題を多くの人に知ってもらおうと「待機児童ゼロチャレンジ」という企画が始まりました(後で詳しくご紹介します)。



始まったばかりですが、いろいろな立場の人がその人なりの考えを書かれています。
その多くが、やはり一番問題に近い未就学児の保護者の方のようにお見受けします。


保育園・幼稚園が終わり、小学校に入学すると次に「1年生の壁」というものがあるそうです。
この企画は保育園の待機児童問題についてなのに、もう次のことをふれてしまうのもどうかと思いますが、このままいきます。

小学生になると、当然のことながら保育園・幼稚園の利用ができなくなります。
3月末まで保育園児だった子どもがそれから1週間くらいで「小学生」になるため、保護者が働いていたり、他の理由で家に不在の場合、一人で鍵を開け、そして閉め、それから誰かが帰るまで留守番をしなければならなくなります。
気候がいいときならまだしも、寒い冬、暑い夏、エアコンをつけるかもしれませんが、石油ファンヒーターを使うご家庭ならばどうしましょう?
お腹がすいてきたらどうしましょう?

こういうときに利用するのが「学童保育」というものだと思います。
そして、ここに「1年生の壁」があるのです。

学童保育は保育園より、預かる条件が厳しかったり、時間が短かったりします。
また、ここでも同じように待機児童が発生しています。
これが「1年生の壁」となり、多くの場合が母親である女性が仕事を辞めざるを得ない状況のようです。


私は学童保育に関わっています。

「足りないのなら作ればいいじゃない!
預かる時間が短いのなら長くすればいいじゃない!」
となります。
それはそうなのですが、それだけでは働いている側としては困るのです。


「待機児童問題ゼロチャレンジ」で提起されている問題とはズレているのですが、
このことなら書ける、という条件で今回、バトンを受けています。
よろしくお願いします。



今、私が働いているところは、働き手が不足しています。
3年も満たずに辞めていく人が多いです。
以前はもっと年数を重ねた人が「ベテラン」と呼ばれていましたが、
今では「3年以上勤務でベテラン」と呼ばれてしまいます。

様々な理由がありますが、労働時間が短く設定されているためお給料がとても低いです。
ぶっちゃけると「一人で自活」しようものなら、贅沢も自分の小さなお楽しみも削って削ってなしにして貯金もできない感じ、です。
よく稼ぐ大学生のバイト代より低いと言われています。
それでも、他と比べると福利厚生が充実しているそうなので、もっと厳しい雇用条件で働いている人が多い、ということだと思います。


現在、学童保育の対象児童は小学1年生~6年生までです。
高学年になると、女性だけだとなかなか厳しいこともあります。
しかし、これだけお給料が低いとなかなか男性でこの仕事に就く人はとても少ないです。


また若い女性も多く就職しており、産休制度もありますが、
では復帰したときに自分の子どもの預け場所がなく、産休が明けても復職できないこともあります。


仕事内容が年々、複雑化しています。

また、1年生~6年生という年齢の幅が大きすぎて、それを「一つの集団」として扱っていくのはとても難しいです。
片方はまだお母さんのおっぱいが恋しく、
片方は早い子は思春期に入り、性的なことに関心が高く「聞いちゃダメ~!!」ということばを大声で叫んでいることもあります。
しかし、場所は一か所です。

要支援学級の子どもも預かります。
しかし、私たちはその子どもたちへの専門的な関わり方を勉強しきれていないのが現状です。
またグレーゾーンの子どももいます。
デリケートな問題ですが、学校の担任のような関りはできません。


保護者からの要望も、雇い主からの要望も、どんどん大きくクオリティが高くなっています。



勤務年数の浅い人が多い。
新規採用も多い。
それでも既定の人数に足りていない。

対象年齢の幅は広がる。
待機児童増加。
ニーズも多様化。



ほかにも細かく挙げればキリがありません。

一番つらいのは、子どもにしわ寄せがいくことです。




このたびの企画で、声高に「施設数の増加!保育時間の延長!」が言われそうです。

これ以上、労働条件が厳しくなるとますますなり手がいなくなりそうです。

私が働いているところは公設ですが、民間の施設では他の地域ですが「未経験者大歓迎!」「簡単なお仕事です!」という文字と一緒に募集がされていた広告も見たことがあります。

増やせばいい。
伸ばせばいい。
じゃない。

そこはきちんと押さえていかないと、「安心して子どもを預けられる場所」がそうではなくなる可能性が高くなる。
ということが、この企画のここまでの流れを見て、私が思ったことでした。


この流れの中で、保育士さんのお話も聞きたいと思いました。
実際に保育園を運営し子どもに関わり、自分の人生を生きていく保育士さんはこの問題をどう、内側から、あるいは外側から見ているのか。
そして、施設数を増やすこと。
保育時間を延長することがどういうことになりそうなのか。
こういったこともお聞きしたい点です。





ここから先は私の愚痴にもなるので、飛ばしてもらってもかまいませんが、できれば読んでいただきたいです。



「働く」

なにかしらの理由で就労できない場合もあると思いますが、「働く」ということは生きていく上でとても大切なことです。
生きていくための収入を得る、ということはもちろんですが、
自分の仕事を誇りを持つこともあるだろうし、心が安定していられます。

私は1度就職しましたが、いろいろあってスペイン巡礼に行くために仕事を辞めました。
帰国して今の仕事に就くまでに2年くらいブランクがあります。

その2年、つらかったです。
貯金を崩していくことの不安だったり、
社会的に認められていないんじゃないかと不安になったり、
自信がちっとも持てませんでした。
バイトもしましたが、そこの古参の人とうまくいかずに3か月で辞めてしまいました。
サイコーにイケていなかったです。


出産や育児のために仕事を休む。
出産はまだしも、育児に関してはどうして女性にしわ寄せがいくんでしょうね。

ちょっと年配の方とお話すると、「母親なのに、うんたらかんたら」とすぐになりがちです。
お母さんしかできないこともありますが、
「なんでもかんでもおかんじゃないじゃろ!
おとんもおるじゃろ!
自分が若い頃は…?!
その頃と今とでは違うんじゃけぇ!」
と、カッとしがちに、私はなります。

サボりたいだけじゃない。
楽をしたいだけじゃない。

自分が自分らしくいるために、せっかくここまで積み重ねてきたキャリアを生かして仕事がしたい。

それがなんで、女性ばっかり仕事を辞めることを求めらるの?



いろんな人がいろんな生き方をして、のびのびと生きていきたいです。
「多様化」が謳われていながら、ちっとも多様ではありません。


ちなみに私は未婚で、出産・子育てをしていません。
これも「一人前の女性」として見てもらえないことがあります。
確かに同じ歳の人と比べると未熟な部分は多いですが、バカにされる理由にはならないと思います。

そして、この仕事をしている上で、「出産・育児をしていない」ことで、保護者にバカにされたこともあります。
確かに経験がないのでそこに対してはなんとも言えませんが、
他にもスタッフがいて、その人たちは出産・育児をしています。
その点に関しては、そちらでお話をしていただくという方法もあります。
私一人で運営しているのではなく、チームで運営しています。

また、この仕事に就いている女性はかつては「昼間のお母さん」と呼ばれていました。
それにも、すごく違和感を感じます。
そのことを同僚の年配の方に話すと、私の考え方のほうが理解できない、と言われたことがあります。


私はこの仕事で収入を得ています。
ですからプロです。
まだまだ未熟で学ぶところはたくさんありますが、この仕事だけの話ではないと思います。

なので、子どもたちには「昼間のお母さん」としては接していません。
あなたのお母さん、お父さんは私ではありません。

だからこそ、冷静になったり客観的になったりして、子どもたちを見ることができると考えています。
また、親でも先生でも親族でもないのに、毎日のように顔を合わせ、結構長い時間一緒に過ごす「とっても微妙で不思議な立場にいる大人」として、そばにいることができます。

学童保育では、学校でも家庭でも見せない子どもの顔を見ることができる。と言われています。
学校ほど拘束がなく、
家ほど自由でもなく、
ちょっとカッコつけなくてもいいし、
少し距離があるのでそこが心地よくてちょっとした秘密を話すこともあります。
甘えて大暴れすることもあるし、
次第に互角に会話ができるようになります。

子どもたちはお父さん、お母さんが大好きで、できるだけ心配をかけまいとすごくがんばっている姿を見せることも少なくありません。
状況によってはそっと保護者にお話することもありますが、多くの場合は、
「話さんとって!(心配かけたくないし、自分ひとりでがんばるから!)」
というやり取りがあるので、見守っています。
そうして、ちょっとずつ、自分でトラブルだったり困ったことを乗り越えていったり、苦手なものにも挑戦していったりもします。

こんな顔を独り占め(ではないのですが、保護者にはお見せできないので)してもいいのかしら。
本当は、ここを見てほしいなぁ。
と思うことも多いです。

ですが、その子どもと保護者の間では私の知らない顔を見せているので、そこを壊さないためにも、
「よし、わかった!じゃあ、見ておくけぇね!でも、しんどいことがあったり、困ったことがあったらすぐに言うんよ」
と声かけをして、見送ります。


この距離感は親子では取れないものではないか、と思います。

 

忙しくなれば、今でも足りていない「子どもとの細やかな関わり」が持てなくなります。

「安心して働くために預ける場所」なのに、それが責任を持ってできなくなります。


お父さんやお母さんだけでなく、私も含めて、豊かで多様な生き方ができるようになるために。

そう願って、このたび、この企画のバトンを受けました。



私の話はこれで、おしまいです。





目次

◇待機児童ゼロチャレンジについて


働きたいけど働けない!待機児童問題に悩むママパパの声を聞いて!!「待機児童ゼロチャレンジ」を開催します!#taikijidou0challenge【拡散希望!】


双子のパパであるYuichiさん(@fp_yuichi_fp)の企画です。

ご自分の双子ちゃんの保育園入園の手続きをしている中で、神奈川県川崎市は保育園の待機児童ゼロと謳っているのですが、現実はもっと厳しいものだったことから始まりました。

もっとこの問題を知ってもらおう。
パパやママだけではなくいろんな人の意見や考えを言ってもらおう。
というのが、目的です。


■参加方法

  1. ブログなどの記事を発信する媒体を持っていれば誰でも参加できます
  2. 「待機児童」について思うこと、経験談、対策、喜怒哀楽、その他諸々を記事にする(ご自身のブログ等で)
  3. 記事のタイトルに「#taikijidou0challenge」を入れて、このチャレンジだとわかるようにする
  4. Twitterでハッシュタグをつけてシェアする
  5. 自分が「待機児童」について考えを発表して欲しい人を2名指名する
    ※どうしても次に回す人がいない場合は、そこで止まっても大丈夫ですよ^^;
    ※でもできれば回してくれると嬉しいです
これだけです。
期限はとりあえず4月1日午前0時までとします。
最後の5番目の「指名」については、もちろん現役のママパパに書いて欲しいのもありますが、実は若い人、未婚の人、もうお子さんが独立した人に書いて欲しいと言う思いもあります。
この問題は当事者だけが考えるのには、あまりにも話題がデカすぎます。
そして、僕ら当事者には見えない「何か」ヒントがあるかもしれません。
そう言ったヒントを見つけ出してくるのは、いつだって当事者以外の人だったり専門外の人だったりします。
だから、「オレまだ結婚してないし」「まだ彼氏と結婚なんて考えてないし」って言うような人たちの意見を是非聞いてみたい!
引用元:
働きたいけど働けない!待機児童問題に悩むママパパの声を聞いて!!「待機児童ゼロチャレンジ」を開催します!#taikijidou0challenge【拡散希望!】| I Love Twins!!~双子のママパパへ



参加方法は、Yuichiさんのブログから長めに引っ張ってきました。
ここに、Yuichiさんの思いがあると思うからです。




◇キリエにバトンを回した人


待機児童問題で私が出来る事 #taikijidou0challenge | 綺麗のミカタ

美容師の村瀬さん(@murase0725)から回ってきました。

村瀬さんのブログ記事を読んだとき、自分の中でモヤモヤしたものがありそれを式神に託したわけですが(わりぃのう、突然で)、結構力技で応えてくださいました。
なので、バトンの渡し具合が他の2人の方とちょっと違うのはそのためです。
すまんのう。

背中を押してくださり、感謝しています。




◇待機児童ゼロチャレンジの中で今のところ1番衝撃だった記事


「待機児童ゼロチャレンジ」に参加します!#taikijidou0challenge【拡散希望!】 - 人生楽しんだもん勝ち♫

sachikoさん(@sasyrrs)のこの記事は、読むだけで目が回りそうでした。
スゴイ!って言ってるだけじゃいけなんだよ。
こんなことがないようにするための企画だもん。




◇次にバトンを渡す人


ハイパーリンクチャレンジに参加したとき、気軽にバトンを渡してしまいましたが、
よくよく思い出してみたら、バトンは負担もかかるため好まない方もいらっしゃったのに!

という反省は踏まえてですが、やはりここはバトンを渡していきたい。

「お好きな方、どうぞ」
もいいのですが、これだとなかなか書いてもらえません。

もちろん、私がバトンを渡そうとしてもいろいろな理由で断ってくださっても、もちろんいいのです。
でも、もし書いてくださるのならば。
いつ、どこかで書いてくれるかもしれない人を待つのではなく、 確実に渡していきたい。

そういう思いから、お二人を選びました。


■なおびばん(なおみ)さん (@naobiban)


非常にお忙しいのは、ブログでもふれられているので知っています。
が、なおみさんのことばが聞きたいです。
期限が4月1日まで、ということであと2か月近くあるし、細い細い望みの綱をもってバトンを渡してみます。

なおみさんへ。私も結構な力技でバトンを渡してみます。ご無理のないように受けるかどうか、お決めください。受けなくても大丈夫です。いろいろすみません。キリエ

ブログ: Naomi Blog
お忙しい様子がわかり、それでも自分の中の優先順位とブログの位置づけが面白かった記事をご紹介します。

私がブログを短い時間で書くことをあきらめた理由 #EBChours – Naomi Blog



■RIAさん (@RIAgrh)


キラキラ女子のRIAさんにとっても、多分、おそらく結婚・出産・育児のどれかには関心があるのではないか、と思い、バトンを渡してみます。

RIAさんへ。どがぁじゃろう?難しいじゃろうか?しんどかったらバトン受けんでもえぇけぇ。もし関心があったら、よろしくお願いします。いろいろすみません。キリエ

ブログ: girls real hack
「しーゆー」がかわいいブログですが、なんのなんのRIAさんのなかなかの肝の据わり方がうかがえる記事をご紹介します。華奢なピアスも素敵なのです。

異国でいきなりピアスを開けた話 | girls real hack




◇#taikijidou0challenge


Twitterのこのタグのツイートが追えるようにしておきます。







最後に私信:
村瀬さんへ
こんな感じになったけど、えぇでしょうか?
ズレズレなんじゃけど。
こがぁになごう(長く)なったけど。