広島駅前大橋の1本南側にある橋を「猿猴橋(えんこうばし)」と言います。
モダンな駅前大橋に比べ、地味で幅も狭い橋でしたが、私は駅に行くとき、このこぢんまりした橋を好んで渡っていました。
大正15年、木造の橋からコンクリートの橋に架け替えられた猿猴橋は、当時としてはモダンな橋だったそうです。
鷹の像を載せた親柱に、お猿モチーフの欄干。
しかし戦争が激しくなると、金属を提出するよう言われたとき、この鷹もお猿も差し出されました。
被爆70周年の記念として猿猴橋復元事業が始まり、2016年3月28日、完成のお披露目と渡り初めがありました。
地味だった橋は幅も少し広く、白くなり、鷹とお猿とランプが戻ってきました。
ちなみに「猿猴」というのは、妖怪です。
「猿」の字が入っているように、毛むくじゃらの妖怪で、川に住んでおり、尻こ玉を抜いたり、いたずらをしたりしていたそうです。
時には川で泳いでいる人を溺れさせてもいたようです。
それが次第に、川に住む妖怪→河童、となり、もう少し南のあたりで、地域を盛り上げる新しい祭り「かっぱ祭り」も開催されています。
私としては、あの緑で頭にお皿があって背中に甲羅のある河童ではなく、猿猴は猿猴として正しく毛むくじゃらの不気味な感じでいてほしいですが。
欄干のお猿は桃ちゃんを手にしています。
顔はリアルですが、愛嬌のあるデザインです。
足の指をきゅっと曲げているしぐさもかわいらしい。
橋のたもとには、復元をするにあたり、最初に作られた鷹と地球儀のモニュメントも設置されていました。
こちらは低いため、ぐっと寄って見たり、撮影したりできます。
カッコいいなぁ。
工事の間、ずっと守ってくれたオレンジのお猿さんは、すっかり色あせていました。
長い間ありがとうね。
ここで知り合いに会い、もらったパンフレットの復元前の橋の写真を見ながら、
「ついこの間のことなのに、こんなんじゃったのを忘れそう」
と、その人が言ったことばに、私は「しまった!!」と思いました。
90年ぶりに復元されましたが、私にとっての「猿猴橋」は、あの地味な橋だったのです。
それを写真に撮っていなかっただなんて!
自分がなぜ写真を撮るのか、その理由はわかっていませんが、その中には「記録として残す」こともあるんじゃないかなぁ、と思うことがあります。
私が育った街は区画整理のため、なくなってしまいました。
今では思い出すこともできないくらい変わっています。
「きちんと写真を撮っていたらなぁ」
とちょくちょく思うようになりました。
新しいものに目が行きがちですが、自分の周りの「当たり前にあるもの」が変化していく様子も覚えていく、記憶に残していくことにも心を砕きたいです。
■カメラの話
先日買った単焦点レンズを装着した健次郎(OLYMPUS OM-D E-M10 MarkⅡ)をお伴に連れて行きました。
このとき、単焦点でよかったのか、標準のほうがよかったのか、今でも選択に迷います。
今日は「単焦点レンズにまずは慣れること!」も大きな目的の一つだったので、まぁ、いいんですけど、
「遠い!遠いよ!ピントが合わないよう!!」
と、困ったことも何度かありました。
レンズを複数持ち歩いて替えることにまだ慣れていないので、とりあえず1本担いでいきたいです。
こういうことも、そのうち慣れるかなぁ。
そんでもって、これ。
ミックスベリースムージーを飲みました。
よくボケとるじゃろう?
ドヤァ?
■地図
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