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旅人がきらいなわけ

2022/02/105








憧れてやまない「旅人」ですが、
「きらい」なの。






旅人は突然やってきます。
突然、現れます。

そうして、私の「日常の生活」が一気に「非日常」になるのです。

旅人がその体験を語り、
その知識を披露し、
その夢をつぶやき、
普段私が意識しない遠くに眼差しを向けている。



私は揺すぶられ、
動揺し、
居ても立ってもいられなくなり、
その魅力の虜になっているのです。




が。

旅人は不意にいなくなります。



さっきまで、そこにいて熱く語っていたのに・・・






白いネコのトロだって、
「流れ星を追いかけてきたニャ~」
と不意に現れて、
行くところがなくて一緒に過ごしていたら、
「あ、流れ星だニャ~!!」
と追いかけていってしまうのです。

こちらを振り返ることもなく。
お別れの挨拶もなく。







そして、私の「日常」が戻ってくる。




はずですが、そうではない。




ぽっかりと空いた感覚。



呆然と立ち尽くす。






喪失感ばかりが目立つ「日常」なのです。








喪失感が薄くなるまで、
随分、時間がかかります。


寂しさ
悲しさ
そして怒り

これらの感情をどうしていいのかわからなくて、
うずくまって、
時には寝込んでしまいます。





私がこんなことになっているのも知らず。

あの旅人は冒険に夢中になっているのかと思うと、
ますます「どうしてくれよう!!」という思いが募ります。









なので、旅人は「きらい」。



だから、「私が」旅人になりたい。





旅人を受け入れるのはつらいですが、
私が旅人になってしまえば喪失感に苦しむことはない。






なんて身勝手なことを考えながら、
次の冒険の場所に思いをはせているのです。










■ 本日の写真

夏越祭の帰りに見つけたタマムシ。

生きているのを初めて見ました。

すごい。
ピカピカ。



玉虫厨子って、この七色に輝く羽根を貼り詰めているんでしょう?

すごいなぁ。