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無念のランチ

2021/08/30





4月生まれのヴォノに
「誕生日のプレゼント、なにかリクエストがある?」
と聞いたら、
「うーん、モノじゃないんだよなぁ」
という返事が返ってきた。


それより、
のんびり一緒にお花見をするとか、
そういう時間と空間がほしい。
と彼は言った。


それでも、
またうーんと考えて、
「ランチをごちそうしてほしい」
と言った。
おいしいものを共有したら、
その時間とおいしさと思い出が残って、
ものをもらうよりも嬉しいから。
と加えて言った。




なので、
ちょっとだけおすましして、
でも気楽に食べられるランチに心当たりがあったので、
私は
「まかしといて!」
と即答した。



4月のことだった。











それからヴォノが広島に来て、
私はそこのランチを彼と一緒に食べるのを
大変楽しみにしていた。

だって、そのランチは、
味も見た目も素敵だし、
何より口の中で
いろんな食材の異なったテクスチャーのハーモニーを楽しむのがとってもいいんだもの。
私は
「お口が嬉しいランチ」
と彼に説明していた。



例えば、
サラダに無糖のコーンフレークスやカリカリベーコンが入っていて、
野菜のしゃきしゃきだけではなく、
ぱりぱりかりかりといった
食べた感触が違って、
口当たりが面白くなる。

あれが、私は好き。








のんびりできるはずだったのに、
あれこれスケジュールを見直すと、
ヴォノと私にはあまり時間がなかった。

なので、
「この日」
と決めて、
ちょっとおすましして、
わくわくして出かけた。





でも。

その日に限って「本日貸切」の札が・・・。







もう、すっごくがっかりして、
へにょへにょになってしまった。



一応、プランBも考えていたので、
立ち往生することはなかったのだが、
本当にがっかりで、
しばらく沈んでいた。



そんな私を見て、
ヴォノは気の毒がっていたが、
面白がっていた。







■ 本日の写真

博多のカフェのカトラリー。

かわいいなぁ。