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編み物

2021/08/24





編み物をすることに決めた私は、
次の日が休みだったので、
手芸店に行った。



私がほしい毛糸の条件。


・100%ウール

これはヴォノの肌がデリケートなため。
化繊が入っていたら、すぐにかゆくなるらしい。
ホントのところは100%ウールでもかゆくなることがあるようなので、
リクエストのマフラーも「服の上から巻く」と限定されている。


・太目の糸

がっしりしたヴォノにはざっくりした編み目が似合うと思ったから。


・綺麗な色

ヴォノと私の間に距離ができたぐらいから、
彼はモノクロに凝りだしたようだけど、
私は綺麗な色のものを身につけてほしい、と思ったので。
やはり、身につけるものの色がダークだと、
気持ちも落ち込んでしまう、と最近つくづく思うから。


・ニュアンスがあってユニークな糸

こ、これは・・・
要するに私の技術のなさを糸でカバーしてもらおう、と思って。
糸自体にパワーと華やぎがあると、
少しよじれていても、
それが気にならないでしょ?





手芸店に行って驚いた。

化繊が入っていない毛糸が少ない。

化繊が入っているほうが発色がいいせいか、
暗い色が多い。

100%ウールの糸は「綺麗な編み目と編み方」を楽しむ細い糸のものが多い。




店員さんに相談し、うなりながら私は糸を吟味していく。



すると、あった!!



糸をしっかりよったり、ぶわぶわのままだったりで、太い細いが楽しく、
いろんな色がだんだらに混じった
メリノウール100%!!

手ざわりもいいし、
編んだら楽しそうだし、
なにより色がよかった。


私がヴォノに会う前に、
彼のブログで見かけて私が一目惚れした
彼のパープルとヴァイオレットのツートンのビルケンシュトックの靴と同じ色が入っていた。


私はその糸に決めた。

これなら彼が気に入って着ているネイビーのダッフルコートにも、
たくさん持っているデニムのシャツにも合うに違いない。


見本を見て毛糸を二玉買い、
その糸に合う針も買い、
すっかり「目の作り方」を忘れていた私は動画でそれを学習し直し、
編み始めた。



最初はガーター編みで編んでいたけれど、
分厚くもっさりして気に入らない。

ほとんど一玉編んだところでほどき、
私はメリアス編みに編み直した。




根を詰めて編んだので、二日で仕上がった。
極太の糸だったし、
編み目も14しかなかったし、
手ざわりと色がよかったので、
するすると編めた。




メリアス編みは内側にくるくると巻けてくる性質の編み方なので、
出来上がりが巨大な巻きずしのようになってしまった。

ネットで調べると、
スチームアイロンでしっかり蒸気を当てて、
日陰干しをするようになっていた。




「そんなことをしてたら、
今週中に届かない」




私は短くメッセージを書き、
スチームアイロンの当て方も書き、
小包を作って、
ヴォノ宛てにマフラーを送った。