自転車を走らせていると、たくさんの人が桜を愛でています。
立ち止まって桜を見上げる人
スマホを構える人
本格的なカメラとでっかく長いレンズで、なんなら三脚も立てて写真を撮る人(夜桜なら特に三脚はいりますよね)
桜をバックに自撮りする人
ビールなどのアルコール飲料の缶を片手に歩きながら飲んでいる人
お弁当を広げている人
ファストフードで買ったバーガーやポテトを食べている人
スタバの素敵フラペチーノを飲んでいる人
老若男女、こういう人たちをたくさん見るとそれだけで泣きそうになります。
やっぱりこの数年のコロナの影響、大きかったよね。
よかったねぇ。よかったねぇ。
とまるでむかしばなしのおばばのような心境で、しかし現実には自転車を爆走させながら桜を愛でている人を見ます。
昨日見たカップルの桜を愛でるスタイルが「お!」と思ったので、ここに書いておくことにします。
その二人は、海外の人たちのようでした。
男性ははっきりそうで、女性は日本の人かアジアの人か、それかアジア系の人かちょっと爆走中のちら見ではわかりませんでした。
ベンチのようなものに座っていましたが、二人の間にはかわいい器がありました。
ちょっとくすんだピンクの、北欧ちっくなデザインのボウル。多分、カフェオレボウルじゃないか、と私は思いました。
その縁にはくしゅくしゅになったラップがくっついています。風に飛ばされないようにしたのかどうかわかりません。
ボウルからはスプーンの柄が見えていました。
私は「なるほど!」と思いました。
わざわざ花見だなんだとお弁当を買ってきたのではなく、きっと二人はおうちでなにか適当な食べ物をボウルに入れ、ラップして持ってきたんだ!
それが、私にはすごく素敵に思えました。
カッコいい生活感のない場所より、私は「暮らしている」とはっきりわかる「生活感」が好きです。
そして「日常」も大好き。
気負うことなく、二人の日常を持ち出してのんびり桜の下で食事をするのは、いいなぁ。素敵だなぁ。とほんとのほんとに思ったのでした。
こんなふうにひょいと日常の中でなにかをする。って忘れていたなぁ。
つい、すぐに「トクベツ」にしたがるんだ、私。
そんなことを思い、その夜、私は浴槽の中でぼんやり考えましたよ。
私ならその器になにを入れて食べる?
チャーハン?
なにかどんぶりもの?
ご飯に冷蔵庫のおかずとかキムチをちょいちょい置いて?
で、最後に考えついたのは「コーンフレークスにグラノーラとかそういうものを混ぜて、牛乳入れて『ふやける前に急げー!!』と早歩きで桜のところに行く」でした。
だって見かけたカフェオレボウル、素敵で牛乳入れてざくざく食べるコーンフレークスが食べたかったんだもん。
「いや、でも私はふやけたのより、まだぱりぱりしているのを食べるのがいいから、ボウルに牛乳入れてラップ、コーンフレークスはタッパに入れて、桜の下でボウルに移す?いやー、こんなだから荷物が少なくならないのよ、あたし!!」という、余計なおまけも考えてにやにやしました。
そこまでして、コーンフレークス食べなくてもいいじゃん!
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