旅先の旅館の夕食で一人用の鍋がセットされているとわくわくする。
だいたいその鍋の下には固形燃料が仕込まれていて、席に着くとご飯や汁物が運ばれ、そして固形燃料が点火される。
酢の物や和え物の小鉢や刺身をつまみながら、夕食を始めるとやがて鍋のふたの穴から蒸気がぷぅぷぅ出始める。
嬉しくなり「いいぞ!いいぞ!」と興奮してくるが、オトナなのでそこはおすましをしながら別のおかずを食べ続ける。
点火されると「燃料が消えたらできてますから」と言われることが多いよなぁ。
だから火が消えると「よっしゃあっ!」となりおもむろにふたを開けて、湯気がもうもうと立つ鍋の中身を確認してもうひと興奮しちゃうんだけど。
なにを突然言い出したのかと言うと、松屋でシュクメルリ鍋定食を食べた。
私もInstagramで見かけて「なんじゃそれは?!」と思った。
松屋のHPによると
『シュクメルリ』とは、「にんにく」と「とろけるチーズ」の"ホワイトソース"で鶏もも肉を煮込んだ"ジョージア料理"です。 北にロシア、東にアジア、西にヨーロッパ、南に中東という位置のジョージアは、様々な地方の特性を含んだ料理が多く、日本人の口に合う美味しい料理がとても多いと言われております。"世界一にんにくをおいしく食べるための料理"とも称されている「シュクメルリ」を是非この機会に松屋でご体験ください。
と説明されている。
ジョージアってどこ?!とGoogle Mapで位置を確認し、「にんにくととろけるチーズだって!!!間違いないじゃん!!!」と思い、機会を待っていた。
そして食べてみたんだよ、シュクメルリ鍋定食を!
初松屋で食券を買うのにPayペイに慣れてなくて何度も失敗したけどな!
運ばれてきた鍋はぐつぐつと煮立っていた。
写真ではとろけるチーズの原型が見えている。
なので私は慌ててすでにとけているチーズの海に固形チーズを埋めた。まだ熱いうちにやってしまわないととろけないままだからな!
が、しかし。
鍋は冷えるどころかますますぐつぐつと煮立っている。
鍋の底はちょっぴりおこげが出来上がっている。
なんで?なんで?
そこでやっと気がついたんだ、鍋の下に固形燃料が仕込まれていることを!
お久しぶりの固形燃料は馴染みの青白い奴でゆらりゆらりとかなりの火力を出していた。
ひゃー!これは燃えている間にできるだけ食べたほうがいいぞ!
私は固形燃料の写真は撮らずに、せっせと食べた。
大きめに切ってある鶏肉とさつまいも。あちあちのチーズのとけたホワイトソース。もちろんお口の中は軽くやけどしましたとも。
「こりゃ、猫舌さんには危険じゃわ」と本気で思いました。
とろけるチーズを使った料理は、それが冷えていくとあのあつあつだったチーズがまた固形化してきて、なんだか悲しくなっちゃう。
「さっきまであんなにおいしそうにとろけていたじゃん!」と泣いてお願いしてまたとろけてもらいたくなる。
固形燃料はチーズをいつまでもとろとろのあつあつにしてくれて、私は悲しくなる暇もなく食べ終わった。ふぅ。
ちなみにお口の中はにんにくの香りでいっぱいなのでちゅーはできないぜ。残念。
「今夜、こんなに臭っていて、あたい眠れるのかしら」と思いながらブログを書いてる。
餃子屋さんに行っていろんな餃子を食べまくった夜、自分のにんにく臭で眠れないことがあったんだよ。
■追記 20200222
シュクメルリ鍋を食べた夜、私は眠れなかった。
にんにく臭だけでなく、身体が熱い。すごい。なにこれしゅごい。熱い。
そして翌朝もまだにおっていた。自分の部屋もにおっていた。
恐るべしにんにくパワー。
なんだか無敵になった気がした。
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