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海辺で血を沸かす

2021/06/05

海の近くのレストランでランチを食べた。

そのあと、波打ち際まで行った。
潮の匂いがした。


子どもの頃、「ほぼ無人島」で長期休み(主に夏休み)を過ごした私にとって、砂浜は遊び場であり、ハンティングの場である。
子どもなのでカニや小さなヤドカリを捕まえるくらいだけど。
あとは漂流物でおままごとをしていた。妄想力は小さい頃からあったので、ひとりで遊んでいた。今でもひとりで遊ぶのはそんなに苦じゃない。むしろ気が楽だし、気を遣わなくてすむから好む。

潮の匂いで思わず血がたぎり、がっと血液の温度が上がった気がした。
気がつくと石飛ばしの平たい石を探し、きれいな貝殻を探す。
牡蠣殻とフジツボは足を切るから気をつけろ。海藻の張った岩も滑るから気をつけろ。
どんどん野性のなにかが目覚めそう。

大きな船が通ってしばらくすると、大きな波が打ち寄せる。濡れないように逃げろ逃げろ。

そんなことをしたたった10分くらいの間に、なにかの骨を見つけた。魚かと思ったが、どうやらケモノのものらしい。