編集
広島市中心部にあるねこカフェは今年の早いうちから、目にしていた。
ちょうどスタバの3階の窓から見えるのだ。
気にはなっていたが、すぐに行こうとは思わなかった。
このテのカフェはどうも身構えてしまう。
「カワイイ~!」という声だけを引き出して、好き放題なでくってニンゲンの欲を満たし、ねこのケアがされていないものはいやだし。
ねこ至上主義過ぎて、ねこは好きだけどそこまでじゃなかったときの温度差を咎められるような雰囲気もいやだ。
「カワイソウ」だけをウリにされても困る。
なので、なかなか足が向かなかった。
そんななのに行こう、と決めたのは、友達がそこに行ったことがあったからだ。
信用できる友達で、ねこたちはきっちりとケアされていた、と聞いて安心した。
そんなに時間もなかったし、遅い梅雨明けから始まった猛暑で心身ともにやられていたのだけれど、このときはとても気になって、ふらりと行ってみることにした。
まずはドリンクなしの30分でお試し。
動物と過ごすことに慣れていないので、ねこたちのご機嫌も損ねるかもしれない。
「お試し」とは「ねこがニンゲンの私を試す時間」だと思った。
ねこのお眼鏡にかなうかどうか、自信が持てずどきどきした。
カフェに行き、説明をお聞きする。
靴や手を消毒したり、荷物をロッカーに入れる。
「おもちゃはどうですか」と言われ、棒の先にお魚っぽいものがついたおもちゃを借りて、ねこたちのお部屋にお邪魔する。
「お邪魔する」という表現がぴったりだった。
ちょうど、客足が途切れたときだったのか、私ひとりだった。
ケージに2匹。
うろうろしているのが6匹。
しかしその多くがごろごろと寝ていた。
眠りは妨げたくない。
寝ているねこさんは静かに見ていた。
写真はフラッシュを使わなければ撮ってもよかったので、何枚か写真を撮った。
寝そべって目を開けているねこさんは背中をなでてみた。
特に怒られなかったので、何度かなでて、探索した。
約束事の中に「ねこをだっこしない」というものがある。
ねこが自分から寄ってきて膝の上に乗ればそのままなでなでしてもいいけれど、わざわざ抱き上げることは不可だった。
寝てる。
寝そべっている。
やんちゃな2匹は派手に飛び回っている。
途方に暮れてしまった。
ど、どうしよう。
相手にしてもらえてないのかも。
この部屋はねこが上位だ。
と、なんとなく思ってしまった。
なので私はおとなしくしておくしかない。
スタッフの方が手作りのねこプロフィールファイルが本棚にあると教えてくれたので、名前でも調べてみようかと思い開いた。
すると1匹の猫がずかずかとやってきて、私のほうに背中を向け、どっかりと寝転んだ。
その堂々とした背中を見て、思った。
「背中をなでろ、ということでございますね、ねこさま」
私はなでなでした。
私はねこさまが遊ぶかと思い、鈴の入った球状のものも転がしてみたが、見向きもされない。
選んで持って入ったおもちゃも見向きもされない。
とにかく背中を向けている。
なでなでする。
今、なでているあなたさまのお名前はなんておっしゃるのでしょうか。
私はファイルをめくる。
すると、開いたファイルの上にどっかりと座り込み、寝そべる。
は、はい、ねこさま。
なでなでなんですね!
私は動物と暮らしたことがない。
父方、母方の両方の祖父が犬を飼っていたが、私が世話をすることはなかった。
ねことは接点があまりない。
しかし、ねこ好きの人が書いた文章を目にすることは多く、そこには「ねこのしもべになる」ことも書いてあった。
あー、これか~。
無条件にしもべになります、ねこさま!
1匹目のねこが去り、2匹目のねこは頭をなでろ、喉をなでろと体の向きをごろんごろん変えて迫ってくる。
承知しましたよ、ねこさま。
なでなでしながら、こんな存在がうちにいたらどうなるんだろう、とふと考える。
しかし私は命を預かる自信がない、といういつものところに行きついた。
ちょうどそのとき、時間がきたとスタッフの方が声をかけてくださった。
その頃には二人連れのお客様がいらしていて、私はすっとそこから出た。
オプション(?)で、ねこにもてもておやつがある。
ちょっとリッチなのはチュールだ。
SNSでも魅惑の力は目にしたことがある。
今度行ったときにはチュールをごちそうしてみよう。と思った。
ねこが飼えない私のような人も利用できたらいいな、と思う。
ねこのためにできることのひとつ、として数えてもいいのではないか、と思えてきた。
■参考
譲渡型 保護猫カフェ
***
このブログ記事のラベルをなににしようかと悩んだ。
自分の心の動きが、美術館や博物館に行ったときに似ていたので、「アート&ミュージアム」に分類してみた。
のちに変更があるかも。
譲渡型 保護猫カフェ 廣島ねこ奉行 でねこのしもべになった。
|2021/06/05広島市中心部にあるねこカフェは今年の早いうちから、目にしていた。
ちょうどスタバの3階の窓から見えるのだ。
気にはなっていたが、すぐに行こうとは思わなかった。
このテのカフェはどうも身構えてしまう。
「カワイイ~!」という声だけを引き出して、好き放題なでくってニンゲンの欲を満たし、ねこのケアがされていないものはいやだし。
ねこ至上主義過ぎて、ねこは好きだけどそこまでじゃなかったときの温度差を咎められるような雰囲気もいやだ。
「カワイソウ」だけをウリにされても困る。
なので、なかなか足が向かなかった。
そんななのに行こう、と決めたのは、友達がそこに行ったことがあったからだ。
信用できる友達で、ねこたちはきっちりとケアされていた、と聞いて安心した。
そんなに時間もなかったし、遅い梅雨明けから始まった猛暑で心身ともにやられていたのだけれど、このときはとても気になって、ふらりと行ってみることにした。
まずはドリンクなしの30分でお試し。
動物と過ごすことに慣れていないので、ねこたちのご機嫌も損ねるかもしれない。
「お試し」とは「ねこがニンゲンの私を試す時間」だと思った。
ねこのお眼鏡にかなうかどうか、自信が持てずどきどきした。
カフェに行き、説明をお聞きする。
靴や手を消毒したり、荷物をロッカーに入れる。
「おもちゃはどうですか」と言われ、棒の先にお魚っぽいものがついたおもちゃを借りて、ねこたちのお部屋にお邪魔する。
「お邪魔する」という表現がぴったりだった。
ちょうど、客足が途切れたときだったのか、私ひとりだった。
ケージに2匹。
うろうろしているのが6匹。
しかしその多くがごろごろと寝ていた。
眠りは妨げたくない。
寝ているねこさんは静かに見ていた。
写真はフラッシュを使わなければ撮ってもよかったので、何枚か写真を撮った。
寝そべって目を開けているねこさんは背中をなでてみた。
特に怒られなかったので、何度かなでて、探索した。
約束事の中に「ねこをだっこしない」というものがある。
ねこが自分から寄ってきて膝の上に乗ればそのままなでなでしてもいいけれど、わざわざ抱き上げることは不可だった。
寝てる。
寝そべっている。
やんちゃな2匹は派手に飛び回っている。
途方に暮れてしまった。
ど、どうしよう。
相手にしてもらえてないのかも。
この部屋はねこが上位だ。
と、なんとなく思ってしまった。
なので私はおとなしくしておくしかない。
スタッフの方が手作りのねこプロフィールファイルが本棚にあると教えてくれたので、名前でも調べてみようかと思い開いた。
すると1匹の猫がずかずかとやってきて、私のほうに背中を向け、どっかりと寝転んだ。
その堂々とした背中を見て、思った。
「背中をなでろ、ということでございますね、ねこさま」
私はなでなでした。
私はねこさまが遊ぶかと思い、鈴の入った球状のものも転がしてみたが、見向きもされない。
選んで持って入ったおもちゃも見向きもされない。
とにかく背中を向けている。
なでなでする。
今、なでているあなたさまのお名前はなんておっしゃるのでしょうか。
私はファイルをめくる。
すると、開いたファイルの上にどっかりと座り込み、寝そべる。
は、はい、ねこさま。
なでなでなんですね!
私は動物と暮らしたことがない。
父方、母方の両方の祖父が犬を飼っていたが、私が世話をすることはなかった。
ねことは接点があまりない。
しかし、ねこ好きの人が書いた文章を目にすることは多く、そこには「ねこのしもべになる」ことも書いてあった。
あー、これか~。
無条件にしもべになります、ねこさま!
1匹目のねこが去り、2匹目のねこは頭をなでろ、喉をなでろと体の向きをごろんごろん変えて迫ってくる。
承知しましたよ、ねこさま。
なでなでしながら、こんな存在がうちにいたらどうなるんだろう、とふと考える。
しかし私は命を預かる自信がない、といういつものところに行きついた。
ちょうどそのとき、時間がきたとスタッフの方が声をかけてくださった。
その頃には二人連れのお客様がいらしていて、私はすっとそこから出た。
オプション(?)で、ねこにもてもておやつがある。
ちょっとリッチなのはチュールだ。
SNSでも魅惑の力は目にしたことがある。
今度行ったときにはチュールをごちそうしてみよう。と思った。
ねこが飼えない私のような人も利用できたらいいな、と思う。
ねこのためにできることのひとつ、として数えてもいいのではないか、と思えてきた。
■参考
譲渡型 保護猫カフェ
***
このブログ記事のラベルをなににしようかと悩んだ。
自分の心の動きが、美術館や博物館に行ったときに似ていたので、「アート&ミュージアム」に分類してみた。
のちに変更があるかも。
コメントを投稿
別ページに移動します