多少長めに生きているので、昭和から平成にかわったときのことをはっきりと覚えている。
そのときは、天皇の体調が悪くなるところから始まった。
連日、体調についての報道がなされ、楽しいこと面白いことが自粛自重され、重苦しい雰囲気に包まれていた。
井上陽水さんが出ていた「くうねるあそぶ」というキャッチコピーで、窓から「お元気ですか?」と緩く尋ねる車のCMもその空気の中で放送が取り止められた。
平成から令和にかわるときどうしてこんなにみんな、明るくお祝いムードなんだろう、と不思議に感じていたが、昭和から平成にかわるときは、人の死が関わっていた。
今回は違う。
ああ、そういうことか。
頭では理解していたつもりだが、体感としてやっと理解した気がした。
そんなことを思いながらゆらゆらと連休を過ごしている。
それぞれの人があれこれ考えるところがあるだろうが、とりあえず私は何か新しいものが始まるときの高揚感とすっきり感を味わっていたい。
ここ数年できなかった「ものを手放す」がしやすくなってきた。
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