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着物着て千疋屋総本店でパフェ #kytb1711



きりりとした着物にほんわりとした羽織を着せてもらって、歩きましたよ日本橋。

ドラゴンだかグリフィンだかわからない、不思議な聖獣に守られた橋を見たり(「帝都物語」なんかを思い出してぞくぞくする。きちんと話は覚えていないんだけど、なんとなくこういうイメージ)、三越本店で美しいのかグロテスクなのかわからない天女(?)様を見たりしたあと、友達が「どこか行きたいところある?」と聞いてくれた。

今回の旅はほとんど下準備なしの気の抜けたなまけ旅だったので(ひとりだったら、もうちょっとなにかしていく)、すぐにこれだと答えることができなかったけど、ふと「千疋屋でパフェが食べたい、ってずっと思っていた」と口をついて出た。



「背伸びしたスタイル」に憧れたことがあって、そういう本を読み漁ったとき、「千疋屋のフルーツ」はたびたび出てきた。

去年と一昨年も東京に来たとき、地図の上で千疋屋の文字は見かけたけど、行かなかった。
私はノートを求め、ダメなオトナの東京の味を教わり、高いところに上り、ひとりで歩き回る時間も多かった。
自分ひとりでは、「千疋屋」を選択することはなかった。
もう二ケタの年数、憧れているのに!




友達はささっとスマホで調べてくれ、なんと「総本店」がすぐそばにあることがわかり、さっそく向かった。

夕方の闇が迫るころだったせいか、ほとんど待たされることなく、さっとフルーツパーラーの中に座ることができた。

着物を着ていると、いつもより丁寧に扱われる気がした。
お昼にオムライスを食べた「たいめいけん」でも、ここでもそうだけど、すぐに白い布のナプキンが出された。
お着物が汚れたら大変だもんね。
私は教わったように帯にナプキンのはじをきゅっきゅっとねじ込む。








食べたのは「秋の味覚パフェ」で、ぶどう、リンゴ、ラ・フランスのシャーベット、ザクロなどを使った、爽やかなものだった。

はぁ、憧れの千疋屋でおしゃれしてパフェ。
すっごくうっとりしていた。

オトナの遊びしてる気がする。

こう思うこと自体、大人じゃないのだろうけど、満足。



楽しいおしゃべりと乙女気分みっちみちなのとで、あっという間に時間が経つ。

パーラーを出たところの雰囲気がよかったので、着物の撮影大会をする。
うふふ、楽しい。








これで終われば「オトナ遊び」だったのに、怪しい提灯に魅かれふらりと行ってみると稲荷神社だった。

それも妖しいライティング。
ここで突然、「キリエの写真教室」が始まる。

「ここ、もうちょっと近づいて!」

「撮りたいものを中心から外すのもあり!」

「画面を撮りたいものでいっぱいにして他のものを入れないで!」

写真教室、というより、自分のシュミですな。


友達が写真も使って楽しい遊び(?)を始めるそうなので、「私ならこう撮る」というのが伝えたかったの。

ちなみに私が撮ったお稲荷さんは迫力満点。
来るか?
帝都物語、来るのか?





着物を脱ぎ、自分の服に着替えたとき、「自由に動ける解放感」と共に喪失感を覚える。

友達からは「もっと着物を着てね。似合うんだから」と言われる。
ちょっとだけその気になる。