7月の末、くたびれたり夏風邪と咳とおそらく軽い熱中症とで苦しんでいた私に、
コォからメッセージが届いた。
「今年も桃を送ります」
それから2週間ぐらいして、
台風11号接近の中、福島からの桃が届いた。
去年と同様、初めて送ってくれたときのように、
「福島の桃だけど、家族は気にしないか」
という確認がなかったので、
私はまた嬉しかった。
届いたあかつきはかわいらしく「ふふふ」と箱の中で並んでいた。
私はいつものように胸いっぱい香りを吸い込んだ。
ああ、なんて甘くていい匂いなんだろう。
あまりにかわいらしくて、いい匂いなので、
私は仰向けに寝転がると胸元に桃を置き、
TVで台風情報を見たり、iPhoneをいじったりした。
桃はまだかりっとかたいものが送られてきた。
そっと家族分を冷蔵庫に入れた。
かりっとかたい桃を楽しみたいのならすぐに食べて、
柔らかく濃厚な桃が楽しみたいのなら追熟させて食べるのがいいのだ、
と教えてもらったのを覚えていたからだ。
私は果汁をしたたらせて桃にかぶりつく。
そして、私が見た福島を思い出していく。
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windmarksさん
音声で聞くのと文字で読むのとでは、随分違いますよね。
音声はちょっと勢いがあったり、文字はじっくり理解できたり。
福島のことは問題が大きすぎるので、すぐにハイっ!というわけにはいきませんが、「忘れないこと」、「自分になにができるのかを見つけ、見つけたら実行していく」など、やっていこうと思います。
声高に訴えるだけではない、とも考えています。
読んでコメントをしてくださってありがとう。
先に Radio-K を聴いていましたが、こうして文章で読むと、また違ったテクスチュアで味わうことができました。
2012 の福島訪問も読ませていただき、忘れかけていたことがよみがえりました。
なかなか解決しないことに麻痺して現状に馴れてしまっていないか、自分をチェックします。