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春の服

2021/10/14






最近の陽気で、
重たい色重たい素材の服を着るのが苦痛になってきた。




私の中でいろいろ企ても渦巻いている。





「春の服を買おう!
スカートも買おう!
かわいくなるんだ。
そして人に会いにいくんだ」



と勇んで街に出かけたものの
ピンっとくる服や店に出会わず、
途方に暮れていた。





本当に

おしゃれをどうしていいのか
さっぱり見当もつかない。



ちょっと切実。

でもどうすれば…?






同じことをヴォノに相談したこともあるけれど、
なんだかうまくいかなくて
悲しくなったり
コンプレックスがますます強くなったりした。





しょんぼり
というより、自分がすごくイヤになって街なかで泣きそうになっていた。





「見るだけでもいいんだよ」

洋服屋さんに入るのがすごく苦手で
敷居が高くて
やたらと緊張してしまう私に
以前ヴォノが言ったことば。

そしてヴォノは自分が好きな洋服屋さんに入っていった。




そのことをふと思い出す。







自分の中のこれまでの時間を感じた。









それから私には珍しく、
勇気を出してヴォノと行ったお店の一つに入った。






お店の人と相談して、
やっと私はスカートとシャツを買った。






いわゆる「ふわふわした女の子」ではないけれど、
元気いっぱいの活発な女の子の服にした。






彼と過ごした時間がこうやって自分の中で熟していることを感じた。





くすぐったいような
寂しいような
なんだか切なさが残るお買い物だった。











さあ、これを着てデートしたいな。

誰かに会いに出かけたい。

初めて会う人とでも何度も会ってる人とでも。