編集

praying..

2022/02/10








落ち着くために、ちょっと書かせてね。






タルにメールの返事を書かなくちゃ!
とずっと思っていて、
ようやく送信したのは昨日。

英語からすっかり離れてしまい、
もともとそんなに得意じゃないので、
英作文をするのが億劫で、昨日になってしまったの。

随分ご無沙汰しちゃったわ。





今朝、メールボックスを開いたら、
彼から返信がきていた。

いつもはこんなに早くに返事がないので、
ちょっと驚いた。




おまけに、
「キリエにメールをしようとしたら、
君からメールが来ていたよ。
不思議だな・・」
なんて、書いてある。

「不思議」と訳してみたけれど、
原文では、"strange"という単語が使われていた。
「奇妙」ってことなんだろう。






そして、メールの内容は、
彼が留守中にお母さんが誰にも知られずに亡くなっていた、ということだった。



それも、ちょっと衝撃的だったので、
自分も動揺している。




私がスイスに滞在しているとき、
彼が母親のように慕っていた叔母が亡くなった。

彼女の遺体が教会にしばらく安置されていて、
彼女に会いにいったとき、
こわいから、先に彼女の顔を見てほしい、
とタルは頼んだ。

私もこわかったけれど、
なんとか心を決めて顔を見た。

どんな様子か。
苦しそうでないか。
それを私に聞き、
「ちょっとスマイルがあるよ」
という言葉に安心してようやく、
彼女の顔を見ることができた硝子のハートを持つ彼だ。




自分の母親が亡くなっているのを見つけたときは
どんな気持ちだったのだろう・・・



想像してもしつくせず、
私は遠くから
タルをハグするだけだった。







彼の母親には何度か会ったことがある。

タルが電話をすると
「あなたの小さなねずみちゃんは元気?」
と私のことを気にかけてくれていた。



彼女の記念すべき誕生日パーティーにも出席させてもらった。





いくつものことを思い出す。











ろうそくを灯そう。

タルがいつもしていたように。


祈りのとき。

しっとりとしゃべるとき。

リラックスするとき。


彼が家にいる時には、必ず彼のそばではろうそくが灯されていた。










彼のお母さんのために、なにかしたいな。

なにができるかしら。











聞いてくれてありがとうね。