神戸最終日。
新幹線出発の3時間前。
ヴォノと私は北野をうろうろしていた。
そろそろ旅の終わりが近づいていて、
「最後にお茶しよう」ということになり、
お店を探していた。
洒落た異人館をレストランにしているようなところの前を通りかかったが、
なんだか一度は通り過ぎてしまった。
けれど、ヴォノの声かけで、そこに入ってみることにした。
入ると、スーツのおじさまが案内してくれた。
他にもサーヴしてくれる人がたくさんいたけれど、
アルバイトではない、
素敵な男性ばかり。
あとで、ただ一人の女性を見た。
給仕のプロたちは、
エレガントに話しかけてくれる。
少々緊張するが、
そこは神戸のやわらかな関西のおとが、
緊張をやわらげてくれる。
私たちはケーキセットを頼んだ。
ケーキセットのケーキはモンブランのみ。
出てきたのは、球体が載った面白いケーキだった。
ヴァレンタインになると、惑星をかたどった高級なチョコを見かけて、
どんなんだろう、と毎年気になるのだが、
そのチョコレートを思い出せた。
飲み物に紅茶を頼むと、
「どれにしますか?」と問われ、
「ミルク・ティーで」
と言ったら、
「では、アッサムにしましょうか」と優しく言われた。
そう、ミルクとかレモンとかではなく、
茶葉をどれにするか問われていたのだ。
田舎モンだとわかる瞬間。
まぁ、ルミナリエ見物で、
「お洒落より防寒。とにかく防寒。そして身軽な機動力」を重視したので、
一目でわかるんだけどね。
紅茶は小さな机くらいありそうな、
広い銀のトレーが運ばれてきて、
私たちのテーブルのそばで、
エレガントな手つきで
器を温めたり、茶葉を入れたりするパフォーマンスを見せてくれた。
さてさて、肝心のケーキだけれど、
球体はやわらかなムースかなにかになっていて、
つぶつぶはおいしいビターチョコのパフのようなもので、
下の円柱の底にはフランボワーズのソースが仕込まれていて、
濃厚な甘さなのに、酸味がきいて、くどくなく、
パフのかりかりした食感も楽しく、
とにかく、すごく計算されているけれど、
そこまで気取っていなさそうで、
私たちは、一口食べるごとに
「うわ~。うわ~」
と言っていた。
余裕が出てくると、周りも見えてきた。
とにかく、私の関心はプロの給仕の男性たちだ。
何かに似ている、と思ったら、
「石原軍団」だ!
なんとも下世話な表現だけど、
スーツをキリッと着こみ、
少々昭和の香りのする髪型は乱れることなく、
礼儀正しく誠実な態度で人に接し、
頼もしくもあり、
ボスのような人の動きを見て、
自分の動きを判断したり、
それぞれの仕事をしたり。
実はあまり石原軍団のことは知らないのだけど、
私が持っているイメージとよく似ていた。
ケーキを半分くらい食べたところで、
「お茶菓子です」
と、
小さなカヌレ、チョコ・マカロン、オレンジの固めのゼリーのグラニュー糖まぶし(?)が
小皿にのってやってきた。
あたくし、ケーキだけで十分です。
濃厚な甘さへのキャパがそんなにないので、
困ったが、
一つずつはおいしかった。
が、やっぱり容量ぎりぎりまでいったので、
最後は大変だった。
もうちょっとお腹に余裕を持たせて来るべきだったかしら。
そろそろいい時間になったので、おいとますることにした。
わざわざ玄関先までお見送りしてもらった。
帰ってから調べると、
お店は「グランメゾン グラシアニ」という
旧グラシアニ邸を改装した高級フレンチのお店で、
ボスのような男性はどうやら支配人らしい。
ひゃああああ。
フレンチのお皿も、とてもきれいな盛り付けで、
素敵素敵!!
ここでこんなこと言ったら興ざめだけど、
なかなかよいお値段だ。
けれど、相談すれば、いろいろ考えてくださるようなので、
なにか特別な日にここで過ごすのはとても素敵な時間が持てると思う。
私はよい季節に行って、
テラスでお茶がしたいなぁ。
■ 本日のクリスマス
シャレオという広島の地下街にて。
クリスマスの準備はできていますか?
私は、サンタさんにおまかせです!
コメントを投稿
別ページに移動します