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ピンクのキノコ雲

 





ヒロシマは原爆投下から78年目の夏を迎える。

前日の2023年8月5日の夕方は、ヘリコプターがひどく大きな音を立てて飛んでいた。

地方ニュースで平和公園上空からの中継を見たので、各局ヘリを飛ばしているのだろうなぁ、と思った。




原爆投下には様々な意見があるだろう。

戦争の早期終結につながったとか。

原爆を投下しなかったほうが、戦争が継続しもっと犠牲者が増えたのではないか。それを未然に防いだとか。

私はそうは思わないけど、そういう考えを持つ人もいる、というのは聞いたことがある。



さて、先日、原爆投下のキノコ雲のネットミームがSNSで流れてきた。

ピンクでキュートな人形の実写映画化の「バービー」と、原爆の父と称される「オッペンハイマー」の映画のコラボ(?)作品だ。

バービーの髪型がキノコ雲のコラージュだったり、ピンクのキノコ雲をポップでキュートにデザインしたTシャツの柄だったり。


怒りで我を忘れそうになったが、自分の意見を述べるときに感情的になりすぎてはならない、と思っているのでぐっとこらえた。

しかし。バービーの公式SNSのアカウントがこれらの作品をリポストし、「忘れられない夏になるでしょう」とリプライしているのを見て、限界がきた。

公式がやっちゃいけんじゃろう。


このことに関し、日本の映画の公式アカウントは謝罪ポストをしたが、おおもとのリポスト・リプライしたアメリカの公式アカウントは該当ポストを削除したものの、それきりで終わっている。

許さん!



広島におったらこまいときから「平和学習」をするんよ。かなり生々しいものも見させられて「しんどかったよね。夢に見たり、夜寝られんくなったよね」と弟と話しとる。

じゃけどそのときの私は、医療も技術も進んでいくけぇ将来的にはその苦しみに終わりが来るとなんとなく思っとった。

じゃけど。

ヒバクシャの傷は心身共に癒えることなく。

「復興した広島」と言われるけど、やはり歴史や文化の分断の影響は大きい。

三世代、四世代、もしかしたらもっと先まで影響が出るとは思っとらんかったよ、子どもの私は。びっくりじゃ。


世界では核兵器使用がちらついたりしよるけど、殺人の性能の精度は上がっとるじゃろうし、周囲の環境に与える影響ももっともっと大きくなっとるかもしれん。


そういうのを踏まえてのネットミームなんかね。全然面白うないよ。




ヒバクシャの高齢化が進み、広島ではその体験を語り継ぐ「語り部」の育成に最近では力が入れられとる。

「もう二度としちゃあいけんよ」のメッセージはどうやったら届くんじゃろうか。















■写真は旧広島陸軍被服支廠(きゅうひろしまりくぐんひふくししょう)