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ライカのわたし

2023/03/27

 



そういえば、ライカで写真を撮ってもらったことがある。

ドイツの有名なカメラメーカーで、「ちびまるこちゃん」のたまちゃんのパパが持っているあれだ。

そのとき、そのカメラがライカだとは教えてもらわなかったが、ライカのカメラには黒いボディに赤い丸ボタンのようなロゴマークがくっついているのを知っていたので、わかった。


その人は確か、「週末カメラマン」みたいな人だったと記憶している。

これでも私は一時期「ちょっとでもカメラが上手くなりたい」と思ったことがあって、ネットやSNSをうろうろしてたどりついた人だった。

小さな雑貨屋さんでその人が小さな個展を開いたときもそっとのぞきにいった。


ある時、その人がショッピングモールで、箱ひとつ分の古本を売る、というイベントに参加する。というのを目にした。

カメラの本もあるからのぞきに来てください。とあったので、いそいそとのぞきにいった。

相変わらずだな、私。


その人はものや風景も撮るけれど、人も撮る人だった。

人を撮るのにも練習がいるそうだ。

誰かが書いてたのをぼんやり覚えているのは、「生きているので『その瞬間』を逃さないようにする」だの「撮影される人のお肌の色に合わせて露出だの色味だのをささっと調整する」だの「撮られる人は緊張するからいかに素早く関係を作ってリラックスしてもらい素敵な写真を撮るのか」だのがあったような気がする。

練習には回数も必要だけれども、そうそう道行く人に声はかけられないから、回数を重ねるのもなかなか難しい、とその人は言っていた。


で、冒頭につながる。

本を買った私に「よかったら撮らせてもらえないか」とその人は言った。

彼のところを訪れた人には必ずそう声をかけていた。

無理強いはしないし、悪用もしない。

データは書いてくれたメールアドレスに送る。

ということも言われた気がする。


私は「ライカで写真を撮ってもらえるんだ!」と内心大興奮していた。

だって普段、自分の写真なんて撮ってもらわないし、自分で撮らないもの。スマホでもあまり撮らない。写りがよろしくないから。

でもライカですよ!

すごいと噂のライカですよ!


ショッピングモールのすみっこは薄暗かった。

一応、壁に模造紙のような白い大きな紙が貼ってあった。

彼がグッズとして作ったトートバッグも買ったので、それを小道具にポーズをつけられた。

ちょっと「女の子」みたいなポーズで、やり慣れていないためめちゃめちゃ照れた。

照れているのにカメラのレンズを見るのにも、めちゃめちゃ照れた。やーん。



後日、私のところにやってきたデータは、なんというか「あの薄暗いところでほんとに撮ったの⁈」というくらいの明るさで、自分で言うのもなんだけど可愛く撮れていた。

嬉しくて一時期、Facebookのアイコンにしていたくらいだ。

嬉しいの勢いでコンビニでプリントアウトしたような気がする。どこかのノートに挟んでいるはず。


実はiPhoneにデータをつっこんでいるので、いつでも見ようと思えば見られる。


ライカがいかにすごいカメラなのかまったくわからなかったのに「なんだかすごい!」とひとり興奮していたのが、私とライカの思い出かも。


そのときのトートバッグは「旅行のときに持っていくバッグ」としてしばらく旅のお伴にしていた。

宿で大浴場に行く時など活躍したな。最後に一緒に旅に出たのは金沢だ。



ちなみにどうやっても写真がうまくなりそうにないので「魂のままに撮る!」と私は勉強はやめてしまった。

設定がよくわからないんだもん。


去年の7月から大輔(Canon PowerShot G5X Mark Ⅱ)との付き合いが始まったけど、しばらくの間つまらなかった。やはりミラーレスからコンデジにしてからはなんとなく「写真を撮ってる!」という充実感が持てなかったからだ。シャッターの感じとか、ファインダーをのぞきながらへなちょこだけどピントを合わせるとかそういうごちゃごちゃちょっぴりカメラをいじってシャッターを切るのが好きだったんだ。そういうのがなくてさぁ。

これがやっと「大輔とも楽しい!」となったのは焼き牡蠣が自分好みに写っていたのを確認してからだった。

水平取れずに斜めになってるけどな!



人のライカを見て、ちょっと思い出したこと。