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巡礼者を思う

2021/06/052

あっという間に、新型コロナウイルスはヨーロッパで流行してしまった。

外出の制限から始まり、人の移動の制限、国境封鎖、出国入国時に2週間程度の隔離・経過観察など。

感染が拡大している国の中にスペインもあった。
もし、自分が巡礼中、こういう事態になったらどうすればいいのか。
最近、Google Bloggerでスペイン巡礼ブログを再開した私は思わず想像してしまう。



私がスペインに行ったときには、関空からフランスの国際空港、そこから国内空港に移動しボルドーへ飛び、そこから巡礼の出発点となるフランスとスペインの国境付近のサン・ジャン・ピエ・ド・ポーという町へ向かった。

帰りはスペインからなんとかしてフランスの国際空港までたどり着き、関空着のチケットを持っていた。

EUは特別なビザなしで3か月以内の滞在ができた。飛行機の帰りのチケットがないとよろしくないので、滞在2か月半でチケットを取った。


歩き始めて2か月半の間、あの頃はiPhoneやスマホがなかったのでこういう病気が流行ったとしても、私が理解できる日本語での情報を得ることはとても難しかっただろう。
だって海外から日本のサイト、たとえばブログサービスにアクセスしたって「日本語は文字化け」する時代だったんだもん。

もし、iPhoneを持っていたとしてもどうだろう。

外出の制限がどこまでされているのかわからないが、ずっとアルベルゲ(巡礼宿)に滞在?
マスクなし。
荷物は最小限。
きっと他の巡礼者もいるだろうし、個室なんてないので(私設巡礼宿ならあるかもしれないが)いろんな人がいるだろうし。

お金を引き出すこともできないし、物資も多く持ってはいない。
もし滞在期限が切れたとしたら、どうしたらいいんだろう。
私が歩いた「フランス人の道」と呼ばれるルートは、スペインの北部を東から西へと向かうものだ。日本大使館とどうやって連絡を取ればいいのか。
そしてもし自分が感染してしまったとしたら。


いろいろ想像してみたが、日本への帰国まで想像することはできなかった。


きっと日本人ではないとしても、あの道を歩いていた人はたくさんいただろう。彼らは今どうしているのだろうか。
他にも慣れない異国で情報も十分に得られないまま、動けない旅行者はいないのだろうか。


自分になにができるのかわからないし、具体的なことは思いつかないけれど、とりあえず巡礼者と、他にも異国の地で困っている人たちとになにかしらの助けが届きますように。

そしてこの事態が早く収束しますように。