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見えない相手に演技する / 細谷佳正さんと周作 映画「この世界の片隅に」

2021/10/01

3日前見た映画「この世界の片隅に」は、私の予想通り、私を振り回している。

余韻がまだ強く残っているままに、私は広島で8月6日を迎えた。
今年は台風8号の影響で、雨の中、平和記念式典が開催され、私はそれを自宅のテレビで見ていた。

8:15になるとサイレンが鳴り、黙祷をした。





「このセカ」を見終わったあとから、私は映画に関することをネットやSNSで探して読んでいった。
あの作品がとても綿密に作られているのは感じていたが、語られはしないのに映像の中の膨大な情報としてさりげなく紛れこんでいる事柄に、「ほんまじゃあ」と思いながら読むこともあった。
たとえばすずさんの嫁ぎ先の北條家のタンス。
嫁いですぐは取っ手は金属製だったのに、戦時中の金属類回収でなくなり、ひもで取っ手が作られているのに、指摘しているツイートを見るまで全然気がつかなかった。



そういうものの中に「周作さん」という人が私の関心を集めていた。
すずさんの夫だが、彼がどんな人なのか、もっと知りたくなった。

ある程度まで探っていくと「原作を読め!」というところにぶち当たったんだけど。



映画の周作役には割と早い段階から声優・細谷佳正さんが決まっていたようだ。
しかし、肝心のすず役が決まらず、なんと細谷さんはその状態であの声を一番に収録したのだという。

驚いた。

主役の2人くらいは一緒に収録したのだろう、と思っていたが、全然違っていた。

あれを。
あの演技を。
そんな状態で。

ヘタクソな役者のように大声でこんなふうに叫んでしまいたかった。


そこから、細谷さんがどんな気持ちで収録に挑んだのか、とっても気になってネットで検索してみたが、そこは自分が満足する結果にはならなかった。
もしかしたら、私が知りたがっているのは役者さんの手の内を知ろうとしているのかもしれない。
演じる、ということに触れていない素人が探ってはいけない領域なのかもしれない。




クラウドファンディングから始まり、6年という歳月をかけ、そしてすず役ののんさんの事務所問題でテレビではあまり取り上げてもらえず。
そんな中で作られていった作品なので、さまざまなエピソードはたくさんあるだろう。

その中の、細谷さんと周作さんについて、もうちょっと知りたいなぁ、とやっぱり思う。





■一つの見方として

漫画家の山田玲司さんたちのネット番組(?)、ヤンサンで「このセカ」を取り上げた回のまとめ動画が上がっていたので、見た。

「このセカ」についてもまた、様々な見方や意見があると思うけれど、私は面白く視聴したので、ここにも貼りつけておく。

山田さんのものの見方って、面白いんだよなぁ。