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今、バクにいきます。(1)/ 広島市安佐動物公園 #獏部

2021/06/05

獏部部長に捧ぐ


ネット上で細々と活動を続けている獏部(?)を眺めている。
獏を愛し、獏愛を語り、獏グッズにきゃいきゃいしている様子を見ている。

大好きなものについて語る姿を見るのは、楽しいものだ。

獏部にはまだ存在しないが、そのうちできるであろう、獏好きが集まるサイト「獏園(ばくえん)」がある。
らしい。

獏も麒麟と同じく「想像上の動物」でもあるので、なんだかそんな曖昧なものがよく似合うと思う。


獏部の活動でよく目にするのは白と黒のツートンがかわいい、マレーバクの姿である。
東京の動物園のパンダが1歳になる、と全国ニュースできゃいきゃいしていたので、「マレーバクだってっ!マレーバクだってっ!白と黒でかわいいんだもんっっっ!!!」とそっと心の中で思っていた。


不思議な存在なので、希少種であると聞いたときにも「ああ、そうだろうなぁ」と思った。

部活の中で「全国のバクがいる動物園一覧」に地元の動物園があった。
だから、日本にもこれだけしかいないのか、と思って「いなくなっちゃったらどうしよう!」と漠然とした不安がこみ上げてきた。

だから「世界バクの日」の記事なんて見ちゃうと、とても悲しくなった。
そしてふと、映画「借りぐらしのアリエッティ」の中の少年の言葉を思い出した。

君たちは滅びゆく種族なんだ

すごく怖かった。






そんな思いを秘めながら、私は獏部の部活にいそしむことにした。
ちなみに部員でもないので、エア部活だとしておこう。

「近くの動物園にバクがいない」
「全国のバクがいる動物園を回りたいが、なかなか現実は厳しい」
という声をTwitterで読んだからである。

ならば、広島地区としてバクレポをせねば!
と、謎の使命感に燃える。



記事タイトルの「今、バクにいきます。」は、この使命感に燃えた時、かつてあった「今、あいにいきます。」という映画のタイトルが頭の中に湧いてきて、離れなかったので、そのまま採用した。
多分、この映画は見ていないと思う。
が、なんだか切羽詰まった感じを覚えた。

この決意から1か月くらい経った6月某日、梅雨の晴れ間と休みが重なり、私は動物園行きのバスに乗った。

これまでは地元の乗り物ICカードPASPYとJRのICOCAだけだったが、他のSuicaなどのカードにも対応していた。







小一時間揺られて、やってきました動物園!
正しくは「安佐動物公園」といって、広島市の北部にある。
すっかり失念していたが、標高も高く、不安定な天気で上空に冷たい空気が入っていて、前日はまとまった雨が降っていた。
よって、動物園到着してすぐに「さぶっ!」と思った。

バス内でも、最近始まった冷房にも悩まされた。
体温が低めで体温調節が下手なので(?)、つらい。






チケット売り場でもらったマップを広げる。
いたよ、白と黒のツートンのあのコ!
フタコブラクダさんの隣にいるね!!


ここから一目散にマレーバクを目指そうかとも考えたが、このとき10時過ぎ。
バクのそばの「食堂バクバク」でお昼を食べよう、と思っていたので、ここは順路にしたがい、のんびりと動物園を回ることにした。


安佐動物公園には何度も来たことがあり、なかなかの高低差と距離を歩くことになる。
西園に着く頃にはへろへろになっていることも多いので、もし西園に目指すコがいるなら、体力があるうちにそっちから回るのもいいかもしれない。



(つづく)




***

ここまできてなんだけど。
改めてマレーバクや動物園を一人で回ってみて。
初めての「一人動物園」だったけど、なにかこう、誰かといるときより自分の世界にぐっと入り込んでしまって、「今、バクにいきます。」の記事も書けないんじゃないか、と思うくらいだった。

まとめようにもまとまらない。

しかし、あんなにマレーバクの写真も撮ってきたんだ!
ブログ書かなきゃ!!!

ということで、私は「まとめる」ということを放棄することにした。

だから、このバクレポがどれくらい続くかわからないけれど、書いてみようと思う。

もちろん、ゾウさんやキリンさん、ライオンさん、トラさんといった有名な動物から、シフゾウという不思議な名前で「ゾウ」さんかと思ったら「シカ」さんの仲間という動物まで見てきたが、ここはマレーバクに絞って書いていこうと思う。



普段は単焦点レンズ一本で写真を撮っているが、このときばかりは「望遠レンズ」、「標準レンズ」、そして「単焦点レンズ」の3本のレンズを持っていった。




■バクレポシリーズ(全7回)