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ねことヒトの歴史を振り返る / ねこがいっぱいねこアート展 ひろしま美術館

2021/06/05


私が憧れる動物にねこもいます。
「他の人の目」や「世間のなんとか」なんて素知らぬ顔で、眠りたいときに眠り、食べたいときに食べ、気が向いたときだけヒトに媚びる感じがいいです。


そんなねこがたくさん集まる特別展だなんて素敵。
うきうきしてひろしま美術館に行きました。





会場入り口では、ひろしま美術館所蔵の「ドービニーの庭」の模写が展示されています。
中央からちょっと左の下、茶色く塗られているところにはかつて黒猫が描かれていたので、この美術館やカフェは黒猫をテーマにしています。
この模写の前では黒い「ねこみみカチューシャ」をつけて写真を撮ることができます。
もちろん、撮りました。



内容は、「ねことヒトの歴史」でした。

アートの中にねこが登場する、ということは、ねこがヒトの生活の中に入り込んでいることであり、そこからお話が始まるのです。

面白かったのは西洋では猫は不吉なもの、日本では珍獣で愛玩の対象になるのに、西洋でも日本でも宗教が関わると「人を惑わす妖しいもの」としてとらえられます。
魔女とねこがセットになっているのもその流れのようです。
ひどいなぁ。
勝手にそんなこと決めないでよ。


印象的だったのは、古代エジプトで神となったねこと、「源氏物語」に登場するねこを取り上げてあったことです。

「あれ?古代エジプトのねこの神様って??
ああ、山猫?
山猫もねこ?!
あ、そうか~!!」
と自分の中の認識を改めて確認しました。
私の中で「山猫」と「飼い猫」はくっきりと分けて認識していたようです。


「源氏」のねこはなんと「女三宮」のねこでした。
「そうね、そうね。
出てきたわね!」
ねこのいたずらにより女三宮は身分の高い女性なのに姿を露わにしてしまうハプニングがおこり、柏木くんが一目ぼれして、あれがなにしてむにゃもにゃしちゃうあのお話です。
ちなみに女三宮は源氏の君の正妻なので、柏木くんとそんなことをしちゃうと不義密通となるのですが、そのまま出産してしまい、源氏はその赤ん坊を自分の子どもとして育てることになります。
このため、周りもこの赤ちゃんも大変なことになってしまうのですが。
今はねこだけに集中しましょう。




とても神秘的でかわいらしいのに、どこか恐ろしくもあるねこ。
その魅力にヒトがどれだけ振り回されてきたのか、を知る特別展でした。




■参考

ねこがいっぱい ねこアート展 - 特別展 - [ひろしま美術館]