京都で泊ったカプセルホテルは静かだった。
トウコと別れてひとり旅になった私は、
久しぶりに訪れた「ひとりの時間」に浸りながら、
狭い「自分の空間」に閉じこもっていた。
居心地はそんなによくないのだけれど、
ひとりで外に出る元気も、
ラウンジでビールを飲む元気もなかった。
普段の生活でも
"No music, no life!"
ではないけど、
ひとりになる時間があるときには旅行にiPod nanoを持って行くようになった。
しんとした空間で聞く音楽は、
普段の聞き方では拾えていない音までよく聞こえて、びっくりする。
曲の出だしも
「こんなの、知らないし。
なんの曲だ?」
と思っていたら、知った音楽だった。
音楽を聞きながら、
荷物の整理をし、
翌日の予定をざっくりと立てる。
合理的に動く、のが苦手で、
気づいたことから取りかかってしまうので、
やり残しも多く
時間もかかってしまうのだけど、
自分が好きなように行動する。
たまに外からのごそごそという音がするが、
静まり返った空間。
自分の中には声と音が響く。
声ってなんて大事なんだろう。
ひとりで眠れない夜にはiPodで音楽を聞いていると
やがて安心したように眠っていく。
その日の夜もそうやって寝た。
■ 本日の写真
京都御所 紫宸殿
初めて
「右近の橘 左近の桜」
を見た。
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