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話せないことと男友達

2021/08/30





出会ってからしばらくは、
ヴォノにいろんなことを話していた。

自分のこと。
家族のこと。
仕事のこと。

現状だったり、
愚痴だったり、
不安だったり、
自分の考えだったり。

それはそれは自由に話していた。


お互いの距離が縮まって、
もっと縮まって、
今のようになるまでは。





今は、話せないことが少しずつ増えている。

話したら嫌な思いをさせるんじゃないか。
聞きたくないんじゃないか。
これまでのつき合いの流れから、
触れないほうがいいんじゃないか。



少しずつ、私は口を閉ざし、
そしてそれが自分の内側に蓄積されていく。



普段はそれで問題はない。



ただ、自分が弱ったときに、
蓄積したものは私の中で暴れだす。



このままでいいの?
私でいいの?



確認してみたい。

でも、そんなことできない。




飲み込めずに、
逆に私の自分の不安に飲み込まれてしまう。








女子校に10年通って、
交友範囲もせまかったこともあって、
私は随分大人になってから
男友達、というものを持った。


適当な距離があって、
男心を理解する彼らは、
なかなか力強い。




たまに、
私がふらふらになっているのを見ては
話しかけ、
私の話を聞くと、
これまたたまにきっと苦笑しながら、
さらりと言葉を発する。



私は聞いてもらえて落ち着きを取り戻し、
「男性はそう考える傾向にあるのか・・・。
理解しろ、といわれても困るけど・・・」
と素直でないことを言いつつも、
何もわからないずにいるよりかは
随分ましな状態になることができる。





頼もしいなぁ、と思いつつ、
なかなかいいものだなぁと感じる。






そして、こうやってヴォノと話していた頃のことを思い出し、
懐かしく、
そしてちょっぴり寂しさを感じている。













■ 本日の写真

母の庭に咲いたミニバラ。







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