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美輪明宏版『愛の讃歌』 ~エディット・ピアフ物語~

2021/08/23




ネットとのつながりもほとんどなく、
テレビもあまり見ない。


という状態が続いていたので、
美輪さんの舞台があることをまったく知りませんでした。


たまたまあったミーティングのあと、
寄り道した、いつもは行かない文化センターで舞台があることを知りました。



ほぼ1週間後。

それも開演は、私の終業時間。



半分諦めていましたが、
たまに、30分早く仕事を終れることがあるのです。


「もし、そんなミラクルが起こって、
かつ当日券が買えたら行こう」


と、消極的に思っていましたが、
ふと職場でこのことをもらすと、
いろいろ調整をしてくださり、
30分前に職場を出ることになったのが、
舞台の前日。



そのまま、プレイガイドに走り、
唯一前日までチケットを取り扱っているお店に偶然あたり、
2階席ですが、
私はチケットを手にすることができました。





エディット・ピアフは、
パリの街角で歌う貧しい女性でしたが、
その才能を見いだされ、
人気の歌手になっていきます。

しかし、そうなってくると、
お金や名声を目当てに人々が近づいてきます。

そんな中、
ピアフだけを見つめてくれる男性と出会います。

妻子ある人でしたが、
ピアフは彼を心から愛しました。

それまで、派手な異性関係を持っていましたが、
やっと彼女が心安らぐ人とめぐりあったのです。

彼との関係の中生まれたのが、「愛の讃歌」です。



日本語訳でも歌われていますが、
美輪さんはあれを好きではありません。

美輪さんが、
フランス語を訳したものを日本語で語り、
そのあとフランス語で歌いあげるのですが、
一般的に知られている歌詞とはまったく違うものです。

甘ったるい愛ではなく、
命がけで心の底からその人のことを想い、愛する。
という、気迫と奥深さと重さと温かさが詰まった魂の歌詞なのです。



私はこの曲をCDで聴いたことがあるし、
これまで美輪さんの「音楽会」でも聴いたことがあります。



しかし、この歌が歌われるのは、
ピアフがこの曲を発表する目前に、
彼が飛行機事故で亡くなり、
心身がボロボロになった状態で、
その初披露の舞台でなのです。


そのときの美輪さんの歌声は、
2階席にいた私にもびりびりと響き、
気圧されて倒れそうになり、
そして泣いてしまいました。




その後、ピアフはボロボロのまま、
アルコールや麻薬の依存症になり、
交通事故にも遭い、
まだ40代なのに老女のように衰えてしまいます。


しかし、20以上も年下の男性が彼女を心から愛し、
彼女はもう一度復活します。

ただ、身体はもう元に戻らずに、
しばらくして亡くなってしまいました。



彼女が倒れた後、
莫大な借金がありましたが、
それを承知で若い彼は、ピアフと結婚し、
彼女の死後も借金を返済し、
完済してすぐに交通事故で亡くなってしまいました。







こんな、こんな深い愛の物語は
3時間以上にも及ぶ舞台でした。




見終わってから、
「人を愛するってなんだろう」
と考えてしまいました。

私はヴォノのことをどう思っているんだろう。

彼を愛しているのだろうか。

なにをもって愛っていうのかしら・・??




急に彼の声が聞きたくなって、
私はヴォノに電話をしました。




舞台が終ると、
もうパスがなくなっていたので、
歩いて家に帰りましたが、
その間中ずっとヴォノとしゃべっていました。





そんな濃厚な時間でした。










ピアフのときも、「黒蜥蜴」のときもそうですが、
舞台の最後は両方とも美輪さんは白い衣装でした。

純白で華やかで清楚で・・。


粗忽者なので、
「白い服」
を敬遠していましたが、
あの潔さを身につけるために、
白いシャツを着るのもいいかな、と思いました。






■ 本日の写真

会場のロビーに飾られていた美輪さんの・・あみぐるみ・・・???

こちらも迫力がありました。