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星野源「喜劇」 / 居場所があるって素敵なこと


いろいろあって、アニメ「SPY×FAMILY」を見ている。

見られない、と諦めていたのもあって見られて嬉しい!


TVアニメ『SPY×FAMILY』


内容はミッション遂行のため、パパはスパイ、ママは殺し屋、子どもはエスパーという3人が疑似家族となることから始まるコメディなんだけど、すでに何度もほろりとさせられている。

子どもはアーニャという女の子で孤児院からパパであるロイドに引き取られた。

孤児院での環境もよろしくなく、優秀なスパイ・ロイドの「ミッションが遂行できないのなら孤児院に返せばいい」という思いをエスパー能力で知り、戻されないようにがんばっちゃうシーンもある。

そんな彼女がメインで描かれるエンディングが第3話で登場した。

星野源さんの「喜劇」という歌に合わせて、ちょっとサザエさんちっくな表現もありながら、ひとりぼっちだったアーニャがでこぼこしているけどどこかあったかい疑似家族の中でぬくぬくと幸せそうに眠るカットで終わる。

もうここでぐっとくる。


それで星野さんのミュージックビデオはどうなっているんだろう、と気になった。




こちらでは爽やかな草色のスーツを着て、洒落た洋館に住む星野さんがピクニックに行くと謎の生物に出会う物語だった。

まずは動画を見て!





見た?

見た?

ほんとに見た?

あたいは泣いてるよ!


ミュージックビデオのほうも、行き場のない不思議な生物と星野さんが一緒に暮らし始めるんだ。

お布団干して(ここが日本的だなぁ、と思った)、花に水をやり、お茶をして、1本だった歯ブラシも3本になり、食事をし歯磨きし、途中で不思議な生物がもう1匹増え、トランプして遊び、寝る。

お布団を干していたのでてっきり「お客様用お布団」だと思っていたら、みんなで星野さんのベッドでお団子になって寝ていたので「違うんかーーーーい!!」と叫んでしまった。

結局、あれはお客様用布団だったけどそんなの使わずに一緒に寝ているのか、それとも星野さんのお布団を干しているのか、わからずにいる。


不思議な生物は登場してすぐに星野さんに「サンドイッチがほしいなぁ」みたいにすりするするのだ。

そのときには汚れていたり、葉っぱがついていたり、居場所がなくて心もとない様子。

だけど星野さんが「うちに行こう」と連れて行き、自分たちのものを用意してくれて、次第に「ここにいてもいいんだよ」という居場所を作ってくれ、汚れも葉っぱもなくなって楽しそうに遊んだり、星野さんと手をつなぐシーンでぐわわわわっと泣けてきちゃう。


居場所がないのってつらいんだよ。

誰かが準備してくれないことだってあるし、居場所を奪われることだってあるんだ。

それに重なる歌詞がもう、泣ける。


自分は強くもないけど弱すぎもしないので、ぺんぺん草のように生きてきたけれど、居場所がなくてこの世に存在したくなくなったこともあるし、ストレスがすごくて体調を崩すこともあった。

でもこの楽曲に救われそうな気がしたんだ。


誰かが用意してくれないときは自力で居場所を作ることも必要だ。

揺るがない自分のお城。自分の国。

職場で居場所がなくても自分の城や国(主に心の)があるだけで、違う。


ネットはこわい場所でもあるし陰口を叩かれたり、遠巻きにされたりすることもあるけれど、ネットでつながった人に救われたこともたくさんある。

そんなことを思いながら、歌詞を聞き、歌を聞き、映像を見ていた。


こういうシリアスにばっかりなりそうな内容に温かさと優しさ、そして「喜劇」というタイトルをつける星野源さんは素敵だなぁ、としみじみ思った。


星野さんとぬいぐるみ(人形)と言えば、NHKの番組「おげんさんといっしょ」でパペットとやりとりしているのも楽しかったなぁ。



■参考

「SPY×FAMILY」のエンディングも併せてごらんください。