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PILOT カスタム74 / 初心者の次の万年筆として

2021/06/052

[ここまでのあらすじ]
「初心者向けの万年筆」の紹介はネットにたくさんあるけれど、次、となるとどれがいいのか見当がちっともつかない。
お試し書きもできるみたいだから、お店に行ってみるか。



いや、ちょっといろいろいらいらしていて、さ。
すかっと、ぱぱーっとなにかしたくなりまして。

好きなノートブックに気持ちよくものが書けないと、そのいらいらは募り。
それを解消するためにも、万年筆の冒険にでかけたんですよ。



お店に行って、PILOTのkakunoやcocoonを使っていて物足りなくなったので、次のが欲しくなったんですがどうしたらいいですか?と聞いたら、店員さんはさくっと対応してくださいました。

そして、「試し書き」については「どれでもできますよ」と言われた。
は?!
と、驚きながら、とりあえず、PILOTのカスタム74とセーラーの同等のものを試すことにした。

試し書きのやりかたは、「つけペン」。
万年筆にインクを吸わせるわけじゃないんだ。


この時点で頭が沸騰していた。
ちょっと冷静な判断ができなかった。




「日本語を書くのなら、日本のメーカーのものが最も適している。しかし、デザインは『ザ・万年筆』で、そうなると外国のものがいいと言う人もいる」
ということを、柔らかな口調でおっしゃる店員さんが素敵だった。

いいよ、「ザ・万年筆」でも。


カスタム74とセーラーのものはほぼ同じような感触で、本体の長さがカスタム74のほうが自分の手に合った。
それに、LAMYのSafari以外はPILOTのものだから、手に馴染んでいるかなぁ、と思った。


ボディの色は黒しかなく、試した「極細字」をそのまま買うことにした。





実は、店頭での試し書きではよくわからなかったが、家に帰ってたくさん書くと、「金ニブ(ペンの先っぽが金。正しくは合金。ちなみにこれは14K)を使っているんだなぁ、となんとなくわかった。


しかし、困ったことがあった。
書いても書いても、インクは掠れないが、薄く出るところがある。
斜め左下が薄くなる。
例えば、カタカナの「ノ」、にんべんやのぎへんの一画目などが薄い。
自分のペンの持ち方や角度などがいけないのかもしれない。

そして、極細字<EF>では仕方ないのかもしれないけど、インクがぬるぬる出ない。
むむむ。
こんなに細いとは思わなかった!
試し書きで「うわっ!細っ!」と思ったけど、ほぼ日手帳weeksに書いてもすかすかしてる!というくらい繊細な細さだった。

「万年筆と同じメーカーのインクがよい」と聞いたので、最初は手持ちのWatermanのインスパイアド・ブルーを入れていたが、洗浄し、PILOTの色彩雫「竹林」に変えてみた。
ますます調子が悪くなったので、すぐにインスパイアド・ブルーにした。


そしてインスパイアド・ブルーにも不満があった。
私はターコイズブルーが使いたくて、これを買ってみたが、ちっともターコイズのような透明感がないのだ。
しかし、LAMYのSafariに入れたらターコイズちっくに発色した。
ニブによって、あるいは万年筆によって、発色が違うのか、くちょー!!!


そして、探しに探して、Plikanの4001ターコイズを購入。
色彩雫はあるけど、他のボトルインクはあまりお店では持っていないのね。
3軒目でようやく発見。



おろしたての万年筆はインクが出にくいので、しばらくそっとしておくのがよい。
というのも読んだが、なかなかではなかった。
数日はイライラしながら使っていたんだけど。

ようやく馴染み始めたのか、少しインクがよく出るようになった。


これから先、どうしていいのかわからないし、「どうしよう、ちょっと細すぎる。kakunoもcocoonも細字<F>だったから、極細字がこんなに細いなんて!」と、戸惑っている。

あとは、これまでボールペンと同じように扱っていたのに、カスタム74は布だか革だかの「一本挿し」とかいうペンケースをご用意しなくてはならぬだろうか。


使っていくうちに馴染むのか、慣れるのかもわからない。


ほんと、初心者でわからないことだらけだ。