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ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち / 広島県立美術館

2021/06/05


「パリジェンヌ展」でたくさんの女性たちを見た。

有力者の妻となりサロンを持ち、ネットワークを広げる女性。
髪の上に船を作る女性。
最新のデザインのドレスを身に着けた女性。
「私にボタンをつけろと言うのっ?!」と服を夫に投げつける女性。
自立すべを持たない女性が未亡人となり、今後のことに呆然となってしまう女性。
ヨーロッパだけでなく、アメリカに影響を与える女性。


「美術館」にいながら、美術品を鑑賞する、というより、「一人の女性が生きる」ことをちらりと考えてもみる。

今の環境があまり「女性だからどうこうしろ」というものではないので、そういう意味では戦わなくてもいいのだけれど、一歩外に出ると、「女性だから」と戦わなくちゃならないことがいっぱいだし。

先日見たTVの情報番組で女性アナウンサーが結婚報告をした。
そのときに先輩男性アナウンサーが「妻として、アナウンサーとして今後の活躍に期待する」いう主旨のコメントをした。
これ、男性アナウンサーが結婚したら「夫として、アナウンサーとして今後の活躍に期待する」って言うのかなぁ、と思った。
なんだか、女性は結婚すると「よき妻、(そして大体において)よき母」としてがんばり、かつ仕事もしっかりやるように言われる。
男性はどうなの?
「よき夫、よき父」まで言われずに、ただただ「仕事をもっとがんばれ」みたいに言われちゃうんじゃないの?




それから、今、「コミュニティ」のあり方にちょっと関心があるので、女性たちが作った「サロン」ってどうだったのかなぁ、と勝手に思いを馳せる。
なにか、嫉妬と憎悪と栄光と贔屓と自慢と欲望が渦巻いていそうなイメージがあるのは、私の勝手な想像かな。
そういうのが苦手なので、ますます「コミュニティってなに?」「どんなコミュニティがあるの?」「サロンの主になったらどんなふるまいをするのがいいの?」など考えてしまった。

印象的だったのは、サロンの主となるとやはり気品と威厳などが問われるんだなぁ、と思った。
「権力があるから」「お金があるから」で群がってくる人たちにちやほやされてるだけじゃ、自分が潰れちゃうよね。



素敵なレースやドレープたっぷりのドレスや、モダンなデザインの服を見ながら、「女性としての生き方」や「コミュニティについて」にこんなにも気を取られたのは初めて。