建築関係でもデザイン関係でも街づくり関係でもありませんが、
谷尻さんのもののとらえ方、考え方が面白くて、特別講演会に行きました。
これまで谷尻さんのお話は、彼が主催しているイベント「THINK」でしか聞いたことがなかったので、
谷尻さんのご本業の「建築」のお話をまとまった時間をかけて聞くのは初めてでした。
■参考
青空THINK59 谷尻誠 カミガキヒロフミ #TheTrunkMarket 2015 aw - Kyri*ate
講演の中、繰り返し出てきたのは
「あるものを考えるとき、本当に必要なものはなにか。
それを構成するのに必要な機能や要素はなにか。
を常に意識して考えている」
ということでした。
谷尻さんの考えるキッチンについて書かれた記事があります。
この中で、谷尻さんは
結局水と火があればキッチンができるんじゃないでしょうか。と話されています。
記事を読みながら私の頭の中では、縄文式住居の中の煮炊きスペースを思い起こします。
「そうか!キッチンって火と水が使えたらキッチンになるんだ!」
当たり前のことですが、キッチンに必要な機能や要素はなんだ?と考えると、すぐに思いつくことです。
この記事のことを思い浮かべながら、私は講演を聞いていました。
また、谷尻さんは
「名前をつけてしまうと機能が限定されてしまう。
だから名前を取り除くことをしている」
ということも繰り返し、お話されました。
例として挙がったのはコップです。
「コップ」と聞いたり、コップを見たりすると、人は「飲み物を容れるもの」という機能だけを考えてしまいがちです。
しかし、それは花を活ければ「花瓶」に、魚を入れれば「水槽」になるのです。
「コップ」という名前を取り除けば、「飲み物を容れる」だけのものではなくなるのです。
それを実践しているのが、月に1回、谷尻さんのオフィス「SUPPOSE DESIGN OFFICE」のがらんとした空間で行われるイベントTHINKなのです。
その空間は、必要な要素を足すだけで寄席にも音楽鑑賞も演奏も料理も書道もたくさんのパフォーマンスも楽しむことのできるものになります。
2度、そのがらんとした空間に行ったことがありますが、面白いところでした。
私は視野が狭くなったり、
ものごとのとらえ方が一方向からしかできなったり、
「頭カチカチ」だったりするので、
谷尻さんの「柔軟なものごとの考え方」がすごく面白くてたまりません。
講演内では、コンペのこと、勝ちに行く対策、負けることも多いこと、など舞台裏を聞くこともできました。
プログラムの後半でも、「どうしてそれを作ろうと思ったのか。その思考の流れに関心がある」とお話されていました。
コンペのお話はまさにそれで、
お題があって、谷尻さんは「優等生の正解」を知りつつも「自分はこう考える」を出し、
それを現実のものにするにはどうすればいいのかを考え、まとめてコンペに出す。
という一連の流れをいくつも見せてくださいました。
ほんと、面白い。
私も舞台裏が気になるほうなので、
「あー、あれに行くにはそういう流れがあったのかぁ」
と知るのがとても好きです。
私は「泊まれる本屋」というコンセプトで作られた「BOOK AND BED TOKYO」のデザインも谷尻さんがされているので、この舞台裏のお聞きしたいです。
THINKでは、ゲストを呼ぶ「ホスト」の立ち位置なので、ゲストに話をさせる側にいらっしゃるのですが、
今回は講演なので、たっぷり谷尻さんのお話をお聞きすることができました。
ああ、大満足!
休憩時間、私のすぐ後ろにお知り合いの方がいらして、谷尻さんがそこにいらっしゃいました。
「うををををををを!!
ナマ谷尻さんじゃあ~!!
すんげ~近い~!!」
と一人大興奮していました。
建築家を目指す男子学生さんが話しかけたのにも、気軽に答えていらして、
「ああ、こういうくだけたお話もずっと聞いていたい…
休憩時間が1時間あってもいい…」
と、お耳をダンボにしてやり取りを聞いていました。
また、THINKに行こう!
■谷尻誠さんの本
ハースト婦人画報社
売り上げランキング: 132,398
コメントを投稿
別ページに移動します