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映画「マイ・インターン」がワーナーのTwitterでツイートされると、すぐに「見たい!」と思っていました。
10月になり封切りされたので、見てきました。
物語は、自分が買った洋服や靴を実際に着用してレビューを書いていたジュールズ(アン・ハサウェイ)は、今や200人を越す社員がいるネット通販の社長として分刻みのスケジュールをこなしていた。
その会社が地域貢献の一環として、高齢者を雇用する「シニア・インターン」を募集する。
退職して、人生に張りがなく「誰かに必要とされたい」と思う70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)はそれに応募する。
というところから始まります。
【注意】この後はネタバレ満載です。
「プラダを着た悪魔」も、
お洒落な服を着て、メイクも髪もばっちりの女性がわんさか出てくるし、
そんな中の女性のたくましさともろさ、そしてドロドロが描かれていて好きでした。
「マイ・インターン」も、
くだけた格好からお洒落服にピンヒールばっちりメイクの人たちがわんさか出るし、
アン・ハサウェイのよく動く大きなお目々とお口が魅力的だし、
彼女が演じるジュールズも素敵だし、
仕事と家庭と子育てと夫婦と…の間で悩むし、
てっきり彼女に共感を覚えて、
映画を見たあとすっきりして、
「よーし、明日から私もがんばるぞー!まずはお洒落からかしら?」
となるんだろうと思っていました。
しかし、実際は最初からロバート・デ・ニーロ演じるベンに目も心も奪われっぱなしでした。
まず、ウォークイン・クローゼット!!
洒落た仕立てのいいスーツ、シャツ、ネクタイがずらりと並んでいます。
お手入れもばっちりで、愛着をもって身につけていた感じ。
そう言えば、ジュールズのクローゼットを見せるシーンはなかったなぁ。
それから、鞄!!
「では、仕事を開始!」
となったとき、若い男性はPCやネット周りの小物をリュックから取り出します。
iPhoneやタブレット、USB、あとはよくわかんないコードなどなど。
ベンの鞄は革の上品な明るい茶色のもので、これも丁寧に使っています。
中からは手帳やアナログの時計、老眼鏡などが出てきます。
あたし、こっちのほうが好きー!!
「その鞄、もっとよく見せてください!」と思ったもの。
ハンカチを含むダンディズム。
「年長だからものをよく知ってるでしょ」と、最初はからかい半分で若い男性に聞かれるのですが、
ベンのちょっと古風で真面目な答えは、
無理矢理従わせるのではなく、長年の経験の裏付けがあったり、思いやりがあったりして、
「そうかもしれないなぁ」と思わせ、ベンのことば通り実践するとなんだかうまくいくことも多くて、
自ら進んで「ちょっと古風だけどカッコいいもの」としてやってみるようになります。
ハンカチは女性が泣いたときに使うものだそうですよ!
清潔なハンカチを持ち歩いてね。
ただ、涙だけでなく鼻水とメイクもぬぐうことをお忘れなく。
まさかのアクション!
この映画で、まさか「スパイ大作戦(テレビシリーズファーストシーズン)」並みのドキドキを覚えるとは思いませんでした。
作中でも言っていますが、ほんとに「オーシャンズ11」みたい!
ミッションを遂行するために4人の男性が動きます。
ベンはフェルプス君みたいでした。
「きゃーーーっっ!!ロバートさんをそんなに走らせてもいいのか?いいのか???」
と、別の意味でもドキドキしました。
丁寧な暮らしぶり!
キッチンのテーブルにはフレッシュな果物が常備してあります。
いくら忙しくても、お部屋が乱れたことはありません。
朝ご飯はきっちり食べるようです。
服装もきっちりしています。
窮屈に聞こえますが、ベンにはそれが普通のようです。
亡き妻との穏やかで安心感のある暮らしぶりがうかがえるし、
実際、こういう状態を保とうと思うと相当大変です。
「だらだらするのが好き~!」な私ですが、
自分に余裕がないほど、こういう「ちゃんとしたこと」がほしくなります。
そしてそれにふれると、とても安らかな気持ちになって力が湧いてきます。
安定感のある包容力!
ヤング・インターンとして同期で入社した男性が実家から自立のために出ていくように言われ、
住むところを探しているときには、
「妥協せずしっかり探せ」と言いますが、
どうしても見つからずに随分離れたいとこのところに行くつもりだと話すと、
「みんなのおじさん、のことを忘れていないか?」
とベンは言います。
妻と死別し、今は一人暮らしをしているベンのところにその男性は居候をすることになります。
そこで生活しているうちに、その男性はTシャツとジーンズ、パーカーといった服装だったのが、
シャツにネクタイという格好になり、だんだんと落ち着いた様子になっていきます。
彼はきっとTシャツとジーンズはまだ好きなんじゃないか、と思うけど、
自分で「いいな」と考えてそれを着ているような気がします。
ITのことはバリバリできそうですが、なんだかコドモみたいな雰囲気でしたが、
その「落ち着いた様子」は、頼りなさが抜けて大人になった感じでした。
またジュールズが、「もしかしたら自分は独りぼっちになって、死んだあと共同墓地に入るのかと思うと不安で眠れないの!」と告白するシーンでも、
「妻と自分の墓にはまだ余裕があるから一緒に入ったらいい」
とベンは言います。
そんなこと、簡単に言えやしません!
恋愛もする!
こんなダンディなおぢさまのベンですが、恋愛に関しても積極的です。
ジュールズの会社では、マッサージ師が専任でいます。
その彼女が気になって行動し、電話番号を知ると帰宅して晩御飯の準備をしながら電話をします。
仕事早い!!
ナイスです!
いいです!
それも「君の声が聞けて嬉しいよ」と、言われて嬉しいことも言ってくれます!
日本ではある程度の年齢になると、恋愛は「年甲斐もない」ことにひとつになってしまうのが、
私はとてもイヤです。
スイスに2か月半滞在したときに、年齢を重ねた人のカップルを何組か見たせいかもしれません。
死別したり、離婚したり、様々な理由でシングルになった彼らは、
再び手にした「愛する存在」を大切にし、とても幸せそうでした。
「色に狂っている」感じではなく、人生を楽しんでいる感じなのになぁ。
日本での恋愛の考え方が変わるといいな、と思っています。
また、「妻が先立って寂しくてたまらないからその埋め合わせに」「介護してほしいから」っていうのは、すんごくイヤでござる!
と、まぁ、主人公のジュールズや映画会社の売りをすっとばしてベンの魅力について書いてきましたが。
私、ロバート・デ・ニーロさんの作品はあまり見たことがありません。
なんだかいつも眼光の鋭い怖い役柄が多い、という印象があって、
「怖くて恐ろしいものは苦手なので避ける」帰来のある私は、ロバートさんの作品を避けてきたのだと思います。
かつて、ディカプリオの作品を追いかけていたことがありましたが、その中のロバートさんも恐ろしい男性の役でした。
その恐ろしいロバートさんが「インターン(見習い)だって?!」というのも驚きでした。
そして、とても愛嬌のあるおぢさまを演じていらして、私は劇場でずっとびっくりしていました。
物語の最初、激務の社長・ジュールズの下にベンはつくのですが、
彼女の余裕のなさと警戒心と子どもっぽさで、仕事を与えられずにいます。
私ならイライラしたり、「自分は必要とされていないんだわ」とか「役立たずなんだわ」と落ち込んだりしそうですが、ベンは自分ができることをします。
そのうち、ジュールズのサポートをしてすったもんだがあった末に、お互いの信頼感を得るのですが。
彼女の会社は短時間で大きくなり、忙しくなりすぎて、仕事もプライベートもボロボロになっていきます。
ベンと会話をしたり一緒に仕事をする中で、
人を信頼することと信頼してお任せすることによってまたその信頼が深くなり、自分への負担が軽くなることを知り、
そうしてできた余裕で、自分のことを顧みます。
私はベンほど長生きをしていませんが、最近、よく感じることがあります。
「ああ、ここまで来て見えるものがあるんだな」、と。
これまでは、とにかく木のうっそうと茂った山の中を歩いているようでした。
前も後ろも左右もわからず、見上げても木々で空は閉ざされ、下を向けば湿った落ち葉と赤い土がある。
そうやって、よくわからないまま、とにかくそのときに確信もなく「こっちだ!」と決めて歩いていました。
が、あるとき、私はある山のてっぺんにいました。
これまで歩いてきたうっそうと茂っていた木の中の細い道を見下ろしています。
俯瞰できるようになっていました。
それと同時にほかの人が歩いている茂った木の中の細い道も見えるようになっていました。
とても不思議です。
だから、ちょっとだけ「こうなんじゃないかなぁ」と客観的にものが言えるようになりました。
しかし、私の山登りもまだまだ続きます。
また、茂みの中に戻っていき、自分の居場所さえわからなくなってしまうこともあるでしょう。
ベンもジュールズやほかの若い人たちの歩いてきた道が見えたり、その人の居場所がよく見えるのかもしれません。
ジュールズのイライラの原因の「ガラクタ置き場の机」は誰も片づけようとはしなかったのに、
ベンは7時に出勤してそれを片づけます。
彼女はとてもすっきりした晴れ晴れとした顔で、ベンにお礼を言います。
見えるからこそ、なにをやってあげたらいいのかわかるのかもしれないし、
そしてベンは全てをしません。
本人がやったほうがいいものは「自分でしろ」ときちんと言います。
こんな人が周りにいて、友達になったり一緒に仕事ができたら素敵だろうなぁ。
最後に。
この物語で大きく扱われているものの中に「結婚やパートナーシップ」があります。
人生を共に過ごす人。
愛する人。
後半に結婚についてベンとジュールズが話すシーンが何度もありますが、
「いいなぁ」
とうっとりしました。
素敵なことばかりではなさそうですが、それでも「一緒に歳を重ねる存在がそばにいること」は人生のおいてとても励みになったり、支えになったりしそうだなぁ、と思います。
私もいつかその人に会えて、一緒に過ごせますように。
■予告編
余談だけど、作品の中に様々な呼び出し音が鳴ります。
Skype、iPhone…
結構なじみの、自分も使っている音があって、作品で鳴るたびに
「ハッ!!」
として、自分のiPhoneを確認しようとバッグに手を伸ばすことが多くありました。
■子どものとき弟から教えてもらったショートコント
「あ、色鉛筆忘れた。貸して」
「いいよ。何色?」
「ロバート・デ・ニーロ」
映画「マイ・インターン」感想 / アン・ハサウェイに共感すると思っていたら想像以上にロバート・デ・ニーロにシビれた
|2021/10/01映画「マイ・インターン」がワーナーのTwitterでツイートされると、すぐに「見たい!」と思っていました。
10月になり封切りされたので、見てきました。
物語は、自分が買った洋服や靴を実際に着用してレビューを書いていたジュールズ(アン・ハサウェイ)は、今や200人を越す社員がいるネット通販の社長として分刻みのスケジュールをこなしていた。
その会社が地域貢献の一環として、高齢者を雇用する「シニア・インターン」を募集する。
退職して、人生に張りがなく「誰かに必要とされたい」と思う70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)はそれに応募する。
というところから始まります。
【注意】この後はネタバレ満載です。
「プラダを着た悪魔」も、
お洒落な服を着て、メイクも髪もばっちりの女性がわんさか出てくるし、
そんな中の女性のたくましさともろさ、そしてドロドロが描かれていて好きでした。
「マイ・インターン」も、
くだけた格好からお洒落服にピンヒールばっちりメイクの人たちがわんさか出るし、
アン・ハサウェイのよく動く大きなお目々とお口が魅力的だし、
彼女が演じるジュールズも素敵だし、
仕事と家庭と子育てと夫婦と…の間で悩むし、
てっきり彼女に共感を覚えて、
映画を見たあとすっきりして、
「よーし、明日から私もがんばるぞー!まずはお洒落からかしら?」
となるんだろうと思っていました。
しかし、実際は最初からロバート・デ・ニーロ演じるベンに目も心も奪われっぱなしでした。
まず、ウォークイン・クローゼット!!
洒落た仕立てのいいスーツ、シャツ、ネクタイがずらりと並んでいます。
お手入れもばっちりで、愛着をもって身につけていた感じ。
そう言えば、ジュールズのクローゼットを見せるシーンはなかったなぁ。
それから、鞄!!
「では、仕事を開始!」
となったとき、若い男性はPCやネット周りの小物をリュックから取り出します。
iPhoneやタブレット、USB、あとはよくわかんないコードなどなど。
ベンの鞄は革の上品な明るい茶色のもので、これも丁寧に使っています。
中からは手帳やアナログの時計、老眼鏡などが出てきます。
あたし、こっちのほうが好きー!!
「その鞄、もっとよく見せてください!」と思ったもの。
ハンカチを含むダンディズム。
「年長だからものをよく知ってるでしょ」と、最初はからかい半分で若い男性に聞かれるのですが、
ベンのちょっと古風で真面目な答えは、
無理矢理従わせるのではなく、長年の経験の裏付けがあったり、思いやりがあったりして、
「そうかもしれないなぁ」と思わせ、ベンのことば通り実践するとなんだかうまくいくことも多くて、
自ら進んで「ちょっと古風だけどカッコいいもの」としてやってみるようになります。
ハンカチは女性が泣いたときに使うものだそうですよ!
清潔なハンカチを持ち歩いてね。
ただ、涙だけでなく鼻水とメイクもぬぐうことをお忘れなく。
まさかのアクション!
この映画で、まさか「スパイ大作戦(テレビシリーズファーストシーズン)」並みのドキドキを覚えるとは思いませんでした。
作中でも言っていますが、ほんとに「オーシャンズ11」みたい!
ミッションを遂行するために4人の男性が動きます。
ベンはフェルプス君みたいでした。
「きゃーーーっっ!!ロバートさんをそんなに走らせてもいいのか?いいのか???」
と、別の意味でもドキドキしました。
丁寧な暮らしぶり!
キッチンのテーブルにはフレッシュな果物が常備してあります。
いくら忙しくても、お部屋が乱れたことはありません。
朝ご飯はきっちり食べるようです。
服装もきっちりしています。
窮屈に聞こえますが、ベンにはそれが普通のようです。
亡き妻との穏やかで安心感のある暮らしぶりがうかがえるし、
実際、こういう状態を保とうと思うと相当大変です。
「だらだらするのが好き~!」な私ですが、
自分に余裕がないほど、こういう「ちゃんとしたこと」がほしくなります。
そしてそれにふれると、とても安らかな気持ちになって力が湧いてきます。
安定感のある包容力!
ヤング・インターンとして同期で入社した男性が実家から自立のために出ていくように言われ、
住むところを探しているときには、
「妥協せずしっかり探せ」と言いますが、
どうしても見つからずに随分離れたいとこのところに行くつもりだと話すと、
「みんなのおじさん、のことを忘れていないか?」
とベンは言います。
妻と死別し、今は一人暮らしをしているベンのところにその男性は居候をすることになります。
そこで生活しているうちに、その男性はTシャツとジーンズ、パーカーといった服装だったのが、
シャツにネクタイという格好になり、だんだんと落ち着いた様子になっていきます。
彼はきっとTシャツとジーンズはまだ好きなんじゃないか、と思うけど、
自分で「いいな」と考えてそれを着ているような気がします。
ITのことはバリバリできそうですが、なんだかコドモみたいな雰囲気でしたが、
その「落ち着いた様子」は、頼りなさが抜けて大人になった感じでした。
またジュールズが、「もしかしたら自分は独りぼっちになって、死んだあと共同墓地に入るのかと思うと不安で眠れないの!」と告白するシーンでも、
「妻と自分の墓にはまだ余裕があるから一緒に入ったらいい」
とベンは言います。
そんなこと、簡単に言えやしません!
恋愛もする!
こんなダンディなおぢさまのベンですが、恋愛に関しても積極的です。
ジュールズの会社では、マッサージ師が専任でいます。
その彼女が気になって行動し、電話番号を知ると帰宅して晩御飯の準備をしながら電話をします。
仕事早い!!
ナイスです!
いいです!
それも「君の声が聞けて嬉しいよ」と、言われて嬉しいことも言ってくれます!
日本ではある程度の年齢になると、恋愛は「年甲斐もない」ことにひとつになってしまうのが、
私はとてもイヤです。
スイスに2か月半滞在したときに、年齢を重ねた人のカップルを何組か見たせいかもしれません。
死別したり、離婚したり、様々な理由でシングルになった彼らは、
再び手にした「愛する存在」を大切にし、とても幸せそうでした。
「色に狂っている」感じではなく、人生を楽しんでいる感じなのになぁ。
日本での恋愛の考え方が変わるといいな、と思っています。
また、「妻が先立って寂しくてたまらないからその埋め合わせに」「介護してほしいから」っていうのは、すんごくイヤでござる!
と、まぁ、主人公のジュールズや映画会社の売りをすっとばしてベンの魅力について書いてきましたが。
私、ロバート・デ・ニーロさんの作品はあまり見たことがありません。
なんだかいつも眼光の鋭い怖い役柄が多い、という印象があって、
「怖くて恐ろしいものは苦手なので避ける」帰来のある私は、ロバートさんの作品を避けてきたのだと思います。
かつて、ディカプリオの作品を追いかけていたことがありましたが、その中のロバートさんも恐ろしい男性の役でした。
その恐ろしいロバートさんが「インターン(見習い)だって?!」というのも驚きでした。
そして、とても愛嬌のあるおぢさまを演じていらして、私は劇場でずっとびっくりしていました。
物語の最初、激務の社長・ジュールズの下にベンはつくのですが、
彼女の余裕のなさと警戒心と子どもっぽさで、仕事を与えられずにいます。
私ならイライラしたり、「自分は必要とされていないんだわ」とか「役立たずなんだわ」と落ち込んだりしそうですが、ベンは自分ができることをします。
そのうち、ジュールズのサポートをしてすったもんだがあった末に、お互いの信頼感を得るのですが。
彼女の会社は短時間で大きくなり、忙しくなりすぎて、仕事もプライベートもボロボロになっていきます。
ベンと会話をしたり一緒に仕事をする中で、
人を信頼することと信頼してお任せすることによってまたその信頼が深くなり、自分への負担が軽くなることを知り、
そうしてできた余裕で、自分のことを顧みます。
私はベンほど長生きをしていませんが、最近、よく感じることがあります。
「ああ、ここまで来て見えるものがあるんだな」、と。
これまでは、とにかく木のうっそうと茂った山の中を歩いているようでした。
前も後ろも左右もわからず、見上げても木々で空は閉ざされ、下を向けば湿った落ち葉と赤い土がある。
そうやって、よくわからないまま、とにかくそのときに確信もなく「こっちだ!」と決めて歩いていました。
が、あるとき、私はある山のてっぺんにいました。
これまで歩いてきたうっそうと茂っていた木の中の細い道を見下ろしています。
俯瞰できるようになっていました。
それと同時にほかの人が歩いている茂った木の中の細い道も見えるようになっていました。
とても不思議です。
だから、ちょっとだけ「こうなんじゃないかなぁ」と客観的にものが言えるようになりました。
しかし、私の山登りもまだまだ続きます。
また、茂みの中に戻っていき、自分の居場所さえわからなくなってしまうこともあるでしょう。
ベンもジュールズやほかの若い人たちの歩いてきた道が見えたり、その人の居場所がよく見えるのかもしれません。
ジュールズのイライラの原因の「ガラクタ置き場の机」は誰も片づけようとはしなかったのに、
ベンは7時に出勤してそれを片づけます。
彼女はとてもすっきりした晴れ晴れとした顔で、ベンにお礼を言います。
見えるからこそ、なにをやってあげたらいいのかわかるのかもしれないし、
そしてベンは全てをしません。
本人がやったほうがいいものは「自分でしろ」ときちんと言います。
こんな人が周りにいて、友達になったり一緒に仕事ができたら素敵だろうなぁ。
最後に。
この物語で大きく扱われているものの中に「結婚やパートナーシップ」があります。
人生を共に過ごす人。
愛する人。
後半に結婚についてベンとジュールズが話すシーンが何度もありますが、
「いいなぁ」
とうっとりしました。
素敵なことばかりではなさそうですが、それでも「一緒に歳を重ねる存在がそばにいること」は人生のおいてとても励みになったり、支えになったりしそうだなぁ、と思います。
私もいつかその人に会えて、一緒に過ごせますように。
■予告編
余談だけど、作品の中に様々な呼び出し音が鳴ります。
Skype、iPhone…
結構なじみの、自分も使っている音があって、作品で鳴るたびに
「ハッ!!」
として、自分のiPhoneを確認しようとバッグに手を伸ばすことが多くありました。
■子どものとき弟から教えてもらったショートコント
「あ、色鉛筆忘れた。貸して」
「いいよ。何色?」
「ロバート・デ・ニーロ」
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