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「イサム・ノグチ -その創造の源流-」  ひろしま美術館

2022/02/03





「SITE」展
「ピース・ミーツ・アート!」展

そして、私の中でアート・アーチ・ひろしま2013の最後の展覧会
「イサム・ノグチ」に行きました。



 ノグチを見ると思い出すのがレオナード・フジタです。
なんだか二人とも「自分はどこに所属するのか」というものが曖昧で、
結局、「自分は自分であるしかない」ということになっていくようですが、
これはなかなか厳しい。

帰属するところがない。
仲間がいない。

というのは、しがらみがない分自由。
けれど強烈な寂しさがある。


そんなことを思いながら、ノグチや彼に影響を与えた芸術家の作品を見ていました。





いつもはノグチのぽってりしたつるつるの
「思わずなでてしまいたくなる」作品を見ることが多いのですが、
今回の黒人差別、リンチから生まれた
「《死(リンチ)》 は衝撃的でした。

彼のぽってりつるつるの作品なのに、
すごい勢いでなにか、
すぐには答えられないのに即答を求められるような、
そんな問いを喉元にナイフと共に突き付けられたような、そんな感じ。




そして再び、もしノグチの原爆慰霊碑が平和公園に設置されていたら
あそこの場はどうなっていたんだろう…
と考えずにはいられませんでした。

あのぽってりつるつるは、慰めにはならないのでしょうか。

いろんないがいがした気持ちや痛かったことをまるく包み込んでくれるような、
そんなところにはならなかったのでしょうか。






きっとこれからもノグチの作品にふれることがあると思うので、
反芻しながら、またなにかを感じるのだと思います。





ところで随分下世話な話なんですが、
ノグチって
あの事故のための苦痛をバネにしながら描いたメキシコのフリーダ・カーロと恋仲になったり
(当時、フリーダは既婚)、
山口淑子(李香蘭)と結婚してたりとか、
どういう男性なの?!

そのあたりもなんだか気になります。







■"Isamu Noguchi -Souces of his Art-" in Hiroshima Museum of Art