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「ゴッホ展 空白のパリを追う」  広島県立美術館

2022/01/06




















今夏、広島県立美術館は大変です。

ゴッホ展
尊厳の芸術展
PEACE MEETS ART!展

と3つも特別展が開催されているからです。





まずはゴッホ展から行きました。



チケットにもあしらわれているゴッホの自画像が会場では赤と青の大きな垂れ幕となっていました。
これもカッコいいな。


この先、ネタバレ要素を含んでいます。ご注意ください。




ゴッホと言えば、上の写真の自画像にあるようなあの筆遣いとひまわりと耳を切り落とした画家として有名です。

けれどこの展覧会では、そうでないゴッホ。
そこに行きつくまでのゴッホを見ることができました。



暗いくらーい闇の中に何かがぼんやり浮かんで見えるような暗い絵から、
暗い背景に鮮やかな色彩の花が描かれ、
パステル色の薄塗りのかわいらしいフランスの町並みが描かれ…


ゴッホの作品をこんなにまとめて見る機会はないなぁ、と改めて思いました。




あとは研究からわかったゴッホの絵の秘密についての展示の仕方がすっごく面白くて、
わかりやすくてよかったです。


なにに描いたか。
 画材が高価なので、大きいキャンバスを半分に切ったり、安価な紙を使ったり、
一度描いた絵の上に別の絵を描いたり。

どうやって描いたか。
下絵みっちり。紙やキャンバスの表にも裏にもみっちり描く。

ニスを塗って筆の滑りをよくする。

絵の具の劣化のため退色した色の復元。

ゴッホの自画像だと思われていた作品が、耳たぶの特徴などから実は弟のテオの肖像画だった。


など、謎解きをしているような、
調査された本物の作品を見ながら、これらの解説や説明のための写真を見るのです。

いや、もう楽しい!
ワクワクする!!




ここのセクションでは、大興奮して心の中できゃーきゃー騒いでいました。

ひとりで行ったのですが、もし誰かと一緒に言ったら、
機関銃のようにしゃべり続けていたと思います。






広島県美は作品を展示する大きな部屋と部屋の間の通路に、
その通路からは直接見えないように休憩スペースが設けられています。
そこで少々のおしゃべりをしても、鑑賞している人には迷惑がかからないと思います。
これは気に入っています。

自分の内側からあふれるものをしゃべるか、
ノートブックに書き留めるかしたくなる私は、
大きい部屋から出るたびに休憩スペースに入り込み、
モレスキンを開いて書き、一息ついてからまた次の大きい部屋に入る。
ということを繰り返していました。




もし県美が募集しているウェブ・レポーターをされる方にもなかなかいいスペースだと思います。

最近、私がウェブ・レポーターに応募しないのは、
仕事との時間の調整がつかないこともありますが、
「レポートをせねば!」という気持ちが強くて、
自由に作品を鑑賞できなかったこと、が大きいです。

でも、ウェブ・レポーターじゃなくてもレポートするから、
鑑賞中のメモは大事なのだ!


ただ関心があるのにやっていない方はぜひ、ウェブ・レポーターをやってみることをお勧めします。

なぜって、普段の何倍も集中して作品を見るから。

どれだけ気を抜いて見てきたのか、を痛感するし、
それだけ集中して作品を見ると、これまで見ていなかったものが見えるからです。

見終わってからとても疲れますが、その充足感はたまりません!







さて、ゴッホ展に戻りますが、
ゴッホ美術館の改修工事のため、
大量の作品の貸し出しが可能になり、
これだけのものをまとまって、
それも日本で見ることができる機会となったのにも驚きでした。

こういうこともあるのね。




うーん、大満足!!!







■ Van Gogh in Paris : New Perspectives      @Hiroshima Prefectural Art Museum